Indonesia Makassar

マカッサルへ来た頃、インドネシア料理はどれも同じように見えていました。けれど、暮らしているうちに少しずつ味の違いが分かり、気づけば「あと一回、あの店へ行こう」と思うようになっていました。旅ではなく、暮らすからこそ出会える「いつもの味」。食べることが、この街を好きになった一番の理由だったのかもしれません。

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マカッサルで暮らし始めて、気づけば一日に何度も「Terima kasih」と口にするようになっていました。最初は覚えたばかりのインドネシア語だったその言葉は、いつの間にか私の日常の一部になっていました。暮らす場所が変わると、話す言葉も少しずつ変わっていく。そんな小さな変化です。

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マカッサルで暮らし始めて驚いたのは、知らない人が自然に笑いかけてくることでした。最初は戸惑い、警戒していた私も、気づけば笑い返すようになっていました。そして、よく行くカフェやスーパーでは、顔や好みまで覚えてもらえるように。人との距離が少し近いこの街で過ごすうちに、「暮らす」という言葉の意味が、少しずつ変わっていったような気がします。

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以前の私は、従業員が休むたびに理由を聞いていました。それが経営者の仕事だと思っていたからです。でも、マカッサルで働く人たちと過ごす中で、その考えは少しずつ変わりました。管理することより、信じることの方が難しい。そして、その方が人は応えようとしてくれる。異国で働きながら学んだ、小さな価値観の変化を書きました。

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「あと5分で着きます。」その言葉に何度も振り回され、焦り続けていた頃がありました。けれど、工場で聞いた「もう少しだけ」という一言が、私の時間の捉え方を変えてくれました。急がないことは、失うことではなく、何かを受け取るための時間だった。マカッサルで暮らして気づいた、小さな価値観の変化を綴ります。

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インドネシアで暮らし始めた頃、毎朝四時のアザーンが苦手でした。でも五年後、日本でその音が聞こえない夜に違和感を覚えた自分がいました。異国の暮らしが、少しずつ自分を変えていった記録です。

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「マカッサルには、何もない。」そう思っていた私が、5年後には、この街を好きになっていました。観光ガイドには載らない景色の中で、少しずつ変わっていった自分自身の話です。

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「少しお休みをいただけますか。」そう言って事務所に入ってきたスタッフの表情は、いつもと違っていました。父が倒れたという知らせを受け、彼女は実家へ戻ることになりました。私は、できることを少しだけしたつもりでした。しかし、一か月後、給料日でもない日にかけられた「Terima kasih.(ありがとう)」の一言が、私の経営に対する考え方を静かに変えてくれました。

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「今日の午後には、タコが届きます。」その言葉を信じて待っていた私は、何度も港の方を見ていました。しかし、船が着いたのは夕方。苛立ちながら港へ向かうと、そこで出会った漁師は、腕時計をしていませんでした。海で生きる人たちは、何を見て時間を測っているのか。マカッサルの港で知った、日本とは少し違う「時間」の流れについて書きました。

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夜11時を過ぎても、画面の中の数字は何も答えてくれませんでした。誰かに電話をかけたい。でも、最後に決めるのは自分しかいない。海外で会社を経営するようになって初めて知った、「決断する」ということの重さ。マカッサルの静かな夜と一杯のコーヒーが、今でも忘れられない理由を書きました。