新型コロナウイルス感染拡大が勢いを増しています。
1月に入り新規感染者は連日1万人以上となり、累計感染者は、100万人を突破しました。
国際的統計ウェブサイトを運営しているワールドメーター(Worldmeter)の1月26日時点の感染者は累計で1,012,350人、死亡者28,468人、回復者820,356人でした。
陽性率は、1ヶ月前の14.7%から1月20日は16.6%に上昇し続けています。累計感染者ではインドネシアは世界19位であり、東南アジアでは最悪の感染拡大国となっています。こちらも参考。
新型コロナ収束が見通せない状況の中、ワクチン接種のみが希望となっている様子です。政府は東南アジアでは、他国に先駆けて中国シノバック製ワクチン接種を開始し、第一号として、1月13日にジョコウィ大統領がワクチン接種を行いました。
インドネシア政府はシノバック製のワクチンを地方に迅速に配分して接種するとしていますが、なかなかうまく行っていない現状です。理由は、ワクチンを保管・運搬する製造設備の不備です。ワクチンは2~8℃で保管する必要がありますが、病院などの冷蔵庫に余裕がないほか、冷蔵施設や冷蔵船・冷蔵トラックが不足しています。元々、インドネシアはコールドチェーンの整備が遅れており、ワクチンの保管・運搬でも苦労している様子です。
ワクチン接種に反対している住民も少なからずおり、ワクチンには副作用を起こすとのデマも多数飛び交っています。インドネシアでのワクチンの有効性は65.3%と発表され、有効性が低いとの指摘もでています。
インドネシア保健省は、1月23日に、医療従事者140万人にワクチン投与を2月中に完了させると発表しました。すでに、全国の医療施設1万3500ヶ所で17万人の接種が完了したとのことです。また、国営製薬ビオ・ファルマ社は、中国シノバック社から輸入した原料から、ワクチン400万回分を製造したそうです。
1日あたりの感染者が今年になっても上昇を続けており、人口が2億7千万人もいる群島国家にとって、ワクチン確保だけ見ても非常に難しい問題であることは想像できます。感染拡大で長期の都市封鎖や行動制限など経済にもかなり影響がでているため、厳しい状況が続いています。ワクチン接種が収束の鍵となるのか、行方を見守りたいと思います。