2023/09/04

【ジャカルタの大気汚染】危機の現状とその背後にある事実

ジャカルタ上空からの景色を眺めると、黄色く濁ったスモッグが空を覆っているのがはっきりと確認できます。大気質指数ランキング(AQI)を参照すると、ジャカルタは世界でも大気汚染が非常に深刻な都市の一つとして位置づけられています。今回はジャカルタの大気汚染についてまとめてみました。

ジャカルタの大気汚染問題

「ジャカルタの空気がこんなに汚れている」と感じるのは残念ながら事実で、市民は毎日、目には見えない汚染物質を吸入しています。視界も数十メートル先で曖昧になってしまいます。IQAirのデータによれば、人口が1,000万人を超えるジャカルタはほぼ毎日、大気汚染が不健康なレベルに達しています。

この汚染の度合いは目に見えて認識できるほどで、市民は日々、様々な有害物質との戦いを強いられています。その結果、ジャカルタ都市圏は世界で最も汚染の深刻な地域として名前が挙がることが多いです。ジャカルタ特別州政府は一部の公務員に対して10月21日までの在宅勤務（WFH）を導入する試みをしていますが、交通渋滞や大気汚染の状況はまだ改善されていないようです。

大気汚染物質の基礎知識

大気汚染物質として特に注目されるのは、浮遊粒子状物質（SPM）と微小粒子状物質（PM2.5）です。これらの物質の主な違いはサイズにあり、特にPM2.5は非常に小さく、肺への侵入が容易になります。その結果、健康リスクが高まる可能性があります。大きな粒子、例えばスギ花粉は、鼻に留まり鼻炎などの症状を引き起こします。大気汚染の影響として、酸化ストレスや呼吸器疾患、冠状動脈性心疾患、慢性閉塞性肺疾患などが考えられます。マスクの着用や肌を覆う衣服の選択、食事のバランスに気をつけることで、健康リスクを減少させる取り組みが必要です。

政府の取り組みと市民の声

大気汚染は呼吸器疾患から心臓疾患まで、多岐にわたる健康問題を引き起こす可能性があります。ジャカルタ特別州政府はWFHの導入や排出ガスのテストなど、いくつかの取り組みを始めています。しかし、多くの市民はこれらの取り組みだけでは十分でないと感じており、大気汚染に対する具体的な対策を求めて訴訟を起こす動きも見られます。