滝は世界各地にいっぱい存在していて、旅先では必ず観光地にもなっていて人々を魅了します。
滝を嫌いな人はそんなにいません。むしろみんな滝に行きたがります。
しかし、滝はかなり一般的な存在で、多くの人に好かれるものであるのにも関わらず、なぜ滝に行くのかという意味や目的については、あまりにも語られてきていません。
景色として美しく清々しいから、というところから広がりがなく、目的としてはなんだかボンヤリしている気がします。
流れ落ちる水しぶきや、ひんやりと涼しい空気を感じられる滝。ただ見ているだけなのに、なぜか心が落ち着く…そんな経験をしたことはないでしょうか。実は滝には、私たちの心を浄化する嬉しい効果があるのです。
タカパラの滝(Air Terjun Takapara)は、マカッサルから約2時間山道を走った、標高約1.500メートルのバワカレン山にあるマリノ村にあります。マカッサルから約70 km距離にあります。
マリノは南スラウェシの観光地のひとつです。
丘陵地帯に位置しているため、涼しく、休暇に最適です。
マリノにある多くの観光名所の中で、見逃せないのがタカパラ滝です。
タカパラ(Takapara)は地元の言葉で、Taはインドネシア語Tidakで否定の意味の「…でない」、Kapalaはインドネシア語のTebal=厚いという意味ですので、Takaparaは厚くない、つまり細い滝という意味になるらしいです。
タカパラの滝は、落差も大きいですが、細く美しい直瀑(ちょくばく)という種類です。
直瀑は、落ち口から滝壷まで一気に落下する滝として名瀑と呼ばれるものが多いです。
タカパラの滝は109mと大きな落差があるダイナミックな滝です。日本で一番大きな滝として有名な那智の滝が131m、日光の華厳の滝が97mだそうですが、タカパラの滝も那智や華厳の滝に負けてない存在感があります。
毎日大量の水が流れ出し、雨季にはさらに水量が多くなります。
底の大きな岩の塊に当たった水の流出は、20メートルまでの薄い「もや」を形成する轟音と水のしぶきを引き起こします。運がよければ、大きな虹に出会うこともできるそうです。
インドネシアの滝の特徴的なのは、地元の人々が滝壺にダイブして泳ぐ事です。
また、滝の裏側の洞窟探検などもでき、水に濡れる覚悟で挑戦も可能です。もちろん水量が多いので、かなりの危険ではありますが、泳ぎが達者な若者中心に飛び込んで行きます。
タカパラのもう一つの魅力は周囲の岩です。近くのロンポバタン山が噴火したマグマが冷えて石が柱状に固まった形のようです。滝の周辺にも大きな石が沢山あり、石に乗って滝の近くで見学も可能です。
標高880mの高地や緑豊かな森に典型的な丘に囲まれたこの滝の雰囲気は、より涼しく、より美しいです。
タカパラ滝の水が溢れる近くできれいな水で遊んだ後は、川岸の屋台で揚げバナナと温かいお茶やコーヒーを注文することもでき休憩することもできます。
滝の前の岩に腰掛けて、しばらくただ、眺めてみる。
美しい一本の滝を満喫しながら、滝の音を聞いていると、世の中の喧騒が全て消え去り、気持ちが穏やかになります。
タカパラの滝も高地で暑くないのも、ゆったりできる要因です。滝から飛んでくる水しぶきが、程よく霧吹きのように体に当たり、清涼感がありなんとも言えない心地よさです。
そもそも滝のある場所は、緑豊かで空気や景色がきれいなことがほとんどですので、澄んだ空気を吸いながら広大な自然の中で流れる滝を眺めるだけで、心が癒やされます。
まず注目したいのが、滝の流れる音。滝の音が持つ「1/f ゆらぎ」波動によるリラクゼーション効果ともいわれていて、心を安定させる効果があるそうです。
水しぶきから発生するマイナスイオン効果が、自律神経を整えリラックスさせる効果や、血行促進などの嬉しい効果がたくさんあるそうです。
その自然の美しさに加えて、鳥の甘い音が聞こえるので、それはすべて人々にとってもとても滝を見てすっきりとした癒しの効果を体験できるでしょう。
おそらく、「都会を離れ、水の音や水しぶきで、五感を刺激し自然に包まれる」という滝の癒し効果は、誰にとっても普遍的です。
ちょっと疲れたな…と思ったらそんなときに「滝に行く」という処方箋があることを知っておくと、けっこう楽になれるのかもしれません。