KLIA1のラウンジを巡りながら朝の空港時間を楽しんだ後、いよいよANAの便で日本へ向かうことになりました。今回搭乗したのはNH816便で、クアラルンプールから成田までのフライトです。3月の週末ということもあって、混雑を予想していましたが、結果的には90%以上という高い搭乗率でほぼ満席の状況でした。B787-9(JA887)の機材にはビジネス、プレミアムエコノミー、エコノミーの3クラスが設定されており、多国籍な乗客が入り混じる活気ある機内の雰囲気に、これから始まるフライトへの期待が高まります。
搭乗はグループ順に案内され、私は最後のグループとして搭乗しました。ゲートへ向かうと、すでに大半の乗客が席に収まっており、最終的に私がほぼ最後というタイミングで機内へ。一歩入ると視界に広がるのは、エコノミークラスのほぼ埋まった座席でした。日本人乗客の比率は2割ほどしかいないという印象で、家族連れや観光客らしき人、あるいは帰国ラッシュも相まって、機内には独特の活気がありました。
今回の座席はエコノミークラスの28Hで、非常口シートにあたります。窓側を取ることはできなかったものの、通路側で足元が広いというメリットを考えて選びました。ただ、ギャレーやトイレが近い場所のため、周囲を人が通り過ぎるたびに落ち着かない場面もあります。CAさんや他の乗客の往来はひっきりなしですが、足を伸ばせるゆったり感と、自分がトイレに行く際に隣の人に気を遣わずに済む通路側という快適さは大きな魅力でした。
出発時刻である8時が近づき、ドアが閉まるとクアラルンプールの街が見えなくなるまであっという間でした。ほぼ満席の機内は朝から賑やかで、周囲でも旅の始まりや帰国の安堵感を分かち合う声が聞こえてきます。離陸後しばらくして9時を回った頃から朝食の機内食サービスが開始されました。
メニューは鶏治部煮かハンバーグ&エッグマフィンの盛り合わせのどちらか。先ほどラウンジでそこそこ食べたとはいえ、やはり機内食にも興味が湧くので、ハンバーグのセットを選びました。
軽く塩気の効いたスモークサーモンのサラダやヨーグルト、フルーツなど、バランスよく盛られたトレイを目の前にすると、やはり食欲が刺激されます。こぢんまりとしたハンバーグでしたが、味付けがしっかりしていて、予想以上においしくいただくことができました。
食事を済ませると、間もなく映画鑑賞に突入です。
ANA便の機内エンターテインメントには日本映画がいくつかラインナップされているため、続けて2本ほど観ているうちに、気づけば機内は沖縄付近の上空まで到達していました。
偏西風の追い風が強く、対地速度は1,100km/hを超えていたようで、時間の経過をあまり感じさせないほどスムーズなフライトです。到着前にはバーベキューチキンサンドイッチの軽食も配られ、お腹を満たす機会が再び訪れましたが、ラウンジと機内食ですでに十分食べていた私は、軽く味見程度にとどめることにしました。
定刻どおりに成田空港へ着陸すると、外は見事な日本の晴れ空。春を感じる澄みきった景色を見ているだけで、帰国したことを実感します。これから数日しか滞在できない短い日本滞在とはいえ、やはり日本でしか味わえない空気感や食事、風景を心ゆくまで楽しみたいと思います。久しぶりに感じる日本の空港の雰囲気と気候に、やや緊張をほぐされたような安心感が広がりました。
今回はNH816便でクアラルンプールから成田まで移動しましたが、想像以上の満席状態ながらも、非常口席のおかげで足元はゆったり。ギャレーやトイレが近く賑やかな場所ではあるものの、自分にとっては負担よりも便利さのほうが上回りました。7時間は、思ったよりもあっという間でした。大きなトラブルもなく定刻通りに到着できたのも、ANA便ならではの安定感かもしれません。終始「満席とは思えないほどスムーズだった」と感じる旅路となりました。