インドネシアには現代文明を拒み昔ながらの習慣で生活を営むバドゥイ村があります。
現在ではその独特の生活文化などから観光地としても知られています。
本日は、独特の生活習慣を持つ人里離れた秘境ともいうべきバドゥイ村をご紹介します。
バドゥイの住民の先祖は、16世紀頃にイスラム教勢力が攻勢を極めていた時期に山奥へ逃げた対抗民族とされ、ヒンドゥー教、仏教を基礎とした独特の生活文化を持っているといわれています。
バドゥイの人たちは現代文明の受け入れを拒み、この現代においても電気を使用せず、学校にも通わず、車や公共交通機関などを使用せず生活している民族です。
「バドゥイ」は「文明を拒否した生活を送っている」とされていて、インターネットの情報や車やバイクの大渋滞など無縁の世界が大都市ジャカルタから6時間のところに現在も存在することが驚きです。
ジャカルタの西隣のバンテン州の山奥にあり、車で約5時間、徒歩で約1時間の山中にあります。
秘境といっても意外にあっさりと行けてしまう場所であり、秘境探検を期待して行くとがっかりするかもしれませんが、「電気も電波もない文明が無縁な村がある」という意識で考えると神秘的な感じがします。
バドゥイは外バドゥイと内バドゥイに分かれています。一般人が訪れることができるのは戒律が緩い外バドゥイのみです。
内バドゥイの村は外国人や地元の人でも特別に許可がないと訪問することができません。
内バドゥイは電子製品が一切使用できない、つまりカメラも持ち込めないエリアとなっているので写真もなく謎に包まれた場所です。
内バドゥイは完全に現代文明から切り離された生活を送っているようです。
内バドゥイの特徴は白い服を着用し、男性は頭に白い布を巻いています。
服装も伝統を守り、当然のことながら電気がない生活です。また、法律も独自のものを持っており、内バドゥイに関してはインドネシアの法律が適用されません。
さらには、病気にかかった場合には、長老(130歳を超えているらしい)による祈祷が行われます。薬は彼が煎じたものを飲むようです。
まさに、現代とは懸け離れた生活だと思いませんか。
外国人は絶対に入ることができない場所というのもどこかミステリアスさを感じさせます。
外バドゥイの特徴としては黒い服を着用、男性は頭に青のバティックの布を巻き、女性は青のバティックを腰に巻いています。
外バドゥイの場合、貨幣経済が急速に浸透し、ビジネスを行う人も多くなってきているとのこと。
実際、村の中にも小さな売店や伝統的な織物を売る店があり、貨幣経済の浸透を感じさせます。
中には、ジャカルタなどの都市部に頻繁に行く人もおり、現代文明の介入は余儀なくされそうです。改めて、現代文明の影響力の強さを痛感しました。
しかし、貨幣経済が浸透し、文明の利器を使っている人がいるとは言え、まだまだ日本人にとってはどこか懐かしい風景が残っている場所でもあります。
茅葺の家が立ち並ぶ様子やかまどで夕食を準備する光景、豊かな自然はきっと訪問した人々の心を癒してくれるはずです。
外バドゥイは急速に現代化が進んでおり、実はそれほど「秘境」ではありません。戒律の緩い外バドゥイの若者たちは現在では携帯電話を使用している人もいるようです。電気も一部開通し文明化の波は若干来ているとのこと。
バドゥイの人々も現代文明の力で、一気に文化が変わる傾向があり心配なのですが、外バドゥイの人は観光収入にも頼っている部分があるとのことで、少し残念ですが生活の一部をYouTube映像で確認する事ができます。
外バドゥイの人々は、ジャカルタ等都市と行き来する為、スマホを使い、日常生活をユーチューブにアップしている人もいるようです。
外バドゥイの村では外国人も訪問やホームステイ体験をすることができます。バドゥイの村の入り口となっているチボレゲールまで車で移動します。そこからトレッキングで約1時間の場所にあるガジェボという村が外バドゥイでも大きな村となっています。
バドゥイでは観光客専用の宿泊施設はありませんので、一般の家にホームステイさせてもらいます。
バドゥイ内の移動手段は徒歩のみなので、バイクや車などの使用はできません。バドゥイではコンクリートも使わないので、道は石畳、家屋や橋も竹や木の幹など全て自然のもので作られています。
全て自給自足で生活する様子、そして夜になるとは真っ暗になる、まさに大自然の中で独特の伝統的な生活基盤が築かれており、とても興味深い村です。
バドゥイ族を知れば知るほど謎が多く、とても興味深い民族です。紹介しきれない習慣や戒律もたくさんあります。
まだまだ広く知られていない民族や文化が身近に残っているインドネシアのすごさを改めて感じます。インドネシア訪問した際には、文明を拒否した村への時代のタイムスリップを楽しまれてはいかがですか。