長時間の移動と子ども連れに囲まれた過酷なフライトを終え、ようやくバリ・デンパサール空港に到着しました。すでに夕方の時間帯。外の空気を感じる前から南国特有の雰囲気と開放感がじわじわと高まるのを実感し、思わず「バリに来たなあ」と心が躍る瞬間です。できればここで一泊して観光を楽しみたいところですが、もうひと息。国際線ターミナルから国内線ターミナルへ移動し、マカッサル行きのフライトに乗り継ぎます。
KLIA(クアラルンプール国際空港)からのバティックエア・マレーシア便は、まさに“我慢の3時間”でしたが、バリ・デンパサール空港へ足を踏み入れた瞬間、その疲れが少しずつ薄れていくのを感じました。搭乗口からボーディングブリッジを通ってターミナル内に一歩入ると、南国独特の湿度を伴った空気がやんわりと漂い、「やっと到着した…」という実感が湧いてきます。個人的には「ここで一晩泊まって、ビーチでのんびりしたい…」と思いつつ、次のフライト時間が迫っているため、そうもいかないのが現実。まずは入国手続きと荷物受け取りを優先し、国内線ターミナルへ向かう流れです。
バリ到着後、国際線ターミナルの到着エリアに進むと、まず目に入るのが入国審査場。以前は旅行者の列が長蛇になることで有名だったデンパサール空港ですが、最近は自動化ゲートが導入され、KITAS(一時滞在ビザ)保持者にとっては劇的に入国がスムーズになりました。
パスポートをスキャンし、顔認証するだけで数秒で完了する手軽さは、一度味わうとやめられません。かつての長い待ち時間を知っている身としては、まさに隔世の感があります。
入国審査を終えると、次はターンテーブルで荷物を回収します。このフロアもかなり広々としていて、観光大国バリらしく国際色豊かな旅行者が行き交っているのが印象的。荷物をピックアップし、出口を抜けると、そこにはバリならではの賑やかな空気が待っています。まさに“南国の玄関口”といった活況ぶりでした。
バリ・デンパサール空港は、国際線と国内線のターミナルが物理的に分離されており、移動には長い通路を延々と歩かなければいけないのが現状です。途中に空港直結のホテルがある影響もあって、スムーズに移動できるシャトルバスのようなものがあればと思うのですが、乗り継ぎ客が少ないからなのかは未だに不明。とにかく不便さはあります。「早く改修されないものかな」とぼやきつつ、連絡通路をひたすら歩きました。
ようやく国内線ターミナルに到着すると、真っ先にするのがチェックイン。ここでマカッサル行きのバティックエアに預ける荷物を再度ドロップオフし、手ぶらになってようやくほっと一息つけます。国内線フライトは夜の時間帯ということもあり、チェックインカウンター周辺は落ち着いた雰囲気。あとは制限エリアへ進むだけです。
19時半を過ぎたバリの国内線ターミナルは、まだ出発便がいくつか残っているものの、国際線ほどの喧騒はなく、落ち着いた印象です。さっそくリニューアルしたコンコルディア・ラウンジへ直行します。
Concordia Lounge(コンコルディア・ラウンジ)は最近リニューアルしたとの情報をキャッチ。期待を胸に扉を開けると、確かに以前とは内装が変わっていて、上質な雰囲気が漂っていました。
まず目に飛び込むのは、落ち着いた照明のもとに配置されたゆったり目のソファ席。それぞれの席には電源プラグが備わっており、スマホやPCの充電にも困りません。以前はもう少しカジュアルな造りでしたが、リニューアル後は高級感を意識した内装になっていて、座席の間隔も広め。以前のゴチャゴチャした印象はまったくありません。
フードコーナーを覗いてみると、料理のラインナップが以前より若干良くなった気がします。
ミーゴレン(焼きそば)や鶏肉料理、サラダなどを楽しめたのが嬉しいところ。
スタッフがこまめに補充しているので、どの時間帯に行っても比較的新鮮な状態の食事を味わえます。
デザートコーナーにはフルーツやゼリー類が並んでおり、食後のスイーツとしてはぴったり。最後にコーヒーで締めくくると、ひとしきり満足感に浸れました。
ラウンジでしっかり食事を済ませた頃に搭乗案内が流れ始めました。時計を見るとすでに21時近く。アナウンスに従いながら搭乗口へ向かうと、案外スムーズに行列が進み、バスで飛行機まで移動します。
マカッサルまでは約1時間半ほどのフライト。今回の旅の最終区間でもあり、「ここまで来たらもう少しだ」という期待と安堵が入り混じった気持ちで機内へ向かいました。