インドネシアのバリ州政府は8月24日、予定していた9月11日からの外国人観光客の受け入れ再開を断念すると発表しました。バリ州政府は「中央政府は20年末まで外国人観光客の入国を許可しないだろう」と指摘して、世界有数のリゾート地であるバリ島の観光業界関係者は、非常に厳しい状態が続きます。
バリ島で働く観光業の人たちは7万5千人も休職状態にあるそうです。
世界でも国民に海外旅行を許可している国がなく、外国人観光客を開放しても、バリを訪れるか見通せない状況であると言います。実際、日本の場合も仮にバリを訪問して帰国した際に日本での2週間の自宅待機などでは、観光で訪問できる人はかなり限られてきてしまいます。
インドネシアでの感染者は15万人を超えて、国内の感染拡大が止められない状況で、インドネシア政府が新型コロナウイルス対策として講じている外国人の原則入国禁止措置を緩和するメドが立たないことも理由のひとつです。
バリ州政府は比較的初期の感染封じ込めに成功したのですが、6月から感染者は増え続け8月23日現在4500人程となっています。
7月、PCR検査でのコロナの陰性証明などを条件に外国人観光客の受け入れを再開する方針を示していましたがインドネシア政府内には感染を広げるリスクが残るとして慎重論があったのも事実です。
2020年1~6月にバリ島を訪れた外国人観光客は前年同期に比べて63%減少した。インドネシア政府が4月から講じた外国人の入国禁止措置による影響が大きいといえるでしょう。
バリ島の観光業はインドネシア経済への貢献度が大きい産業です。中央・州政府は国内の感染状況も見ながら外国人観光客の受け入れ再開のタイミングを探るとみられますが、ホテルやレストランなどの、観光業者への影響は続くこととなりバリ島の経済がいつまで持つのか、我慢の状況が続いています。
最初は、インドネシア国内旅行としてバリ島訪問の促進を進めて経済活性化を目指す考えです。
新型コロナが収束し旅行需要が回復するためには、観光産業のニューノーマル(新常態)よる健康や衛生、安全・安心へ変化が必要です。
しかし、いち早く経済再開に踏み切った東南アジアのベトナムやタイに比べ、感染者の抑え込みに苦戦しています。
バリ島だけでなく、インドネシアへの旅行需要の回復ペースが遅くなってしまいそうです。
安心してバリ島に訪問再開できる日が早く訪れるようになると良いですね。