ジャカルタでの滞在を終え、いよいよマカッサルへ帰る日がやってきました。移動の締めくくりとして選んだのは、バティックエアのビジネスクラス。インドネシア国内線では、エコノミークラスが定番になりがちですが、今回はリーズナブルな料金設定もあり、少し贅沢な空の旅を楽しんでみることにしました。
ジャカルタでの滞在を終えマカッサルへのフライトへと向かう時間がやってきました。空港への移動は、ジャカルタ市内を走る高速道路を通り、高層ビル群の間から見える夕陽が、オレンジとピンクに染まる美しい空に包まれます。夕焼けを見ながらの移動は、ジャカルタの喧騒を少しずつ後にする感覚を味わわせてくれ、旅の終わりと新たなフライトへの期待が入り交じった不思議な気分です。毎日の通勤とは異なるこの瞬間が、旅の特別な余韻を生み出してくれます。
久しぶりのバティックエアでのマカッサル移動ですが、今回は一層特別感を味わうため、ビジネスクラスにすることにしました。以前はジャカルタ~マカッサル間のビジネスクラス料金が400万ルピア(約4万円)以上もしており、通常のエコノミークラス料金の2倍以上でした。そのため、ビジネスクラスに乗るのは特別な機会でない限りは難しいものでしたが、最近では価格が見直され、エコノミークラス料金に約60万ルピア(6千円)を追加した270万ルピア(2万7千円)程度で乗れるようになっています。この価格であれば、ガルーダ・インドネシア航空のエコノミークラス運賃の230万ルピアに40万ルピア足すだけでビジネスクラスが体験できるのです。
スカルノハッタ空港のターミナル2に到着すると、まずはブルースカイラウンジへ足を運びました。ターミナル2は搭乗ゲートの前に手荷物検査が設置されているため、レストランやお土産店はすべて制限エリアの外にあります。そのため、搭乗時間までの時間をゆったりと過ごす場所として、ブルースカイラウンジが最適です。
バティックエアにはビジネスクラス専用のラウンジもありますが、食事の選択肢が少ないため、今回はサービスが充実しているブルースカイラウンジを利用することにしました。窓越しに飛行機が見える席に座り、ドリンクや軽食をいただきながら、落ち着いたひとときを過ごしました。ラウンジの静けさと共に、これから始まる空の旅への期待がさらに膨らみます。ラウンジでのこの贅沢な時間は、旅の一部としても大切なひとときです。
搭乗時間が18時を迎え、そろそろゲートへ向かいます。出発予定が少し遅れているため、搭乗開始は18時40分頃となりました。搭乗口に到着すると、通常のゲートを使用せず、飛行機まで歩いて向かう形での搭乗となりました。飛行機を間近に見上げながらタラップを登る体験は、通常のボーディングブリッジを通るよりも飛行機への距離感を感じられ、特別な雰囲気を味わうことができます。
今回のフライトではビジネスクラスの一番前の1Fの席に座ることができました。12席あるビジネスクラスはなんと満席で、価格引き下げの効果がしっかり現れているようです。座席はやや年季が入っているものの、広めのシート間隔とゆったりとした作りが特徴です。18時30分の定刻から約1時間遅れで離陸が始まり、上空へと上昇していきます。夜のフライトならではのジャカルタ上空の夜景が美しく、地上に広がる光の海が見事です。
離陸してしばらくすると、機内食が提供されました。今回のメニューはチキンカレーとチョコレート味のパン、水といったシンプルなものでした。ラウンジで軽く食事を済ませていましたが、ビジネスクラスのサービスとして提供される機内食をせっかくなのでいただくことにしました。柔らかなチキンがスパイシーなカレーソースとよく合い、思った以上に美味しい味わいでした。パンは袋に入っていたので、軽食として後ほどいただくことにしました。機内食自体は質素な内容でしたが、温かい食事が提供されるだけでも十分に嬉しいサービスです。
機内食を楽しんだ後、座席に身を委ねると、程よく暗くなった機内の雰囲気が心地よく、思わず眠りに落ちました。エコノミークラスのように窮屈さがないため、体をしっかりと預けて休むことができ、目が覚めた時にはもうマカッサル市内の上空に差し掛かっていました。約2時間のフライトがあっという間に感じられるほど、ビジネスクラスの座席の快適さが際立っていました。
マカッサルのハサヌディン空港に到着すると、降り立った先にはビジネスクラス専用の送迎バスが待機していました。
この専用バスにより、通常のバスを待つことなくすぐに到着ターミナルへと移動することができ、スムーズな降機体験が続きました。ビジネスクラスならではの特別な扱いが最後まで続き、旅の余韻を存分に味わうことができました。ビジネスクラスでの快適な空の旅を満喫できた今回のフライト。搭乗前のラウンジから、リラックスした座席、そしてスムーズな降機まで、旅の疲れを最小限に抑えてくれる一連のサービスが心に残りました。