外国為替のマーケットでは円安ドル高が大きな話題となっていますが、インドネシアルピアもドルに対して安くなっています。英国のエコノミスト誌より最新のビック・マック指数が発表されましたので、日本とインドネシアの価格評価してみたいと思います。
ビック・マック指数は1986年の英国の経済雑誌であるエコノミストが考案した経済指標のひとつです。毎年1月と7月に世界中のビック・マックの価格比較を、適切な為替レートはどう決まるかという点を購買力平価(PPP:Purchasing Power Parity)から比較発表しています。ビック・マックは世界中で販売されていて、使用している原材料はほぼ一緒ということで、その国の物価や消費者の購買力を探ることができます。
この数字は、各国の一般的な生活水準、消費者物価、インフレ率などが異なるので単純比較はできませんが、日本で買うと390円のビック・マックが世界ではどれくらいの値段で買うことができるのかが一目でわかるため、とてもおもしろいところです。
今の為替相場を入れてビック・マック価格を円貨で換算するとどうなるのでしょうか。
となります。
最も高いのはスイスで、1個925円となります。米国も1個710円となり日本ではファミレスで食事ができてしまう価格となります。インドネシアは332円と日本より安く買うことができます。インドネシアにいると1食332円は高価な食事のイメージはあります。
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日本のビック・マック価格は1個390円(2022年7月時点)です。米国のビック・マック価格は、1個USD5.15(2022年7月時点)となり、為替相場が1USD=75.728円であれば、米国と日本の価格が一緒になりますので購買力平価は均等となります。しかし2022年7月現在の為替相場(ビックマック指数発表時点)は1USD=137.87円となっているため、45.1%も過小評価されていることになります。
インドネシアのビック・マック価格は1個35,000ルピアです。為替相場は1USD=6,796ルピアであれば、米国とインドネシアの価格が一緒になりますので購買力平価は均等となります。しかし、2022年7月現在の為替相場は1USD=14997ルピアとなっていますので54.6%も過小評価されているということになります。
今回のビック・マック指数は、円安を反映した形で発表されましたので、日本の2022年の順位は41位と先進国で一番低くなってしまいました。インドネシアは52位といつも下位なので日本がインドネシアに近づいたと言っても良いと思います。
庶民にとっては、食事の価格が安いことはありがたいところですが、日本やインドネシアから欧米などに行くと、食費が高くでうんざりします。日本だけが没落している感じですが、為替相場が今後物価の上昇を経てビック・マックが値上がりしてしまい390円よりも高くなる可能性もあるでしょう。インドネシアのビック・マックも値上がりしてほしくないですね。