ジャカルタから少し足を伸ばすと、まるで別世界のような大自然が広がるボゴール・プンチャックエリア。今回の旅では、都会の喧騒を離れ、豊かな自然に囲まれたこの場所でリラックスしながら、貴重な動物たちとふれあえる人気のスポット「タマン・サファリ・インドネシア」を訪れることにしました。タマン・サファリは、一般的な動物園とは異なり、自然の中で動物たちが自由に暮らしている姿を間近で見られるサファリ形式の動物保護区です。ベンガルトラやスマトラゾウなど、インドネシア固有の動物を目の前で観察できる迫力満点の体験に、心躍らせながら出発しました。
ボゴール・プンチャックで迎えた朝は、まさに自然の中にいることを実感させる、澄んだ空気と涼しい気候が心地よい時間でした。Grand Ussu Hotelの広々とした敷地内を散歩していると、太陽が山の稜線から顔を出し、徐々に空が明るくなる様子を目の当たりにしました。この瞬間、まるで大自然が目覚めるかのような感覚を味わい、朝の静けさの中で心がリフレッシュされます。
気温は約20℃ほどで、暑さや喧騒を忘れさせる爽やかな空気が流れていました。散歩をしながら、自然の音を聞き、鳥のさえずりや風の音が耳に心地よく響きます。プンチャックの高原地帯にいると、まるで別世界に来たような感覚に包まれます。
ホテルでの朝食も、この美しい景色を眺めながらいただくと、普段以上においしく感じます。朝日を浴びて、雄大な山々が色鮮やかに輝き、その姿に見惚れながら、ゆったりとしたひとときを楽しみました。朝の散歩と食事でエネルギーを充電し、いよいよ本日の目的地、タマン・サファリ・インドネシア(ボゴール)へ向かうことにしました。タマン・サファリは、単なる動物園とは一線を画す場所で、インドネシアの固有種を含むさまざまな動物を、自然に近い形で見られるということで有名です。ベンガルトラ、オランウータン、スマトラゾウなど、普段は目にすることが難しい貴重な動物たちが生息しており、その迫力を間近で体験できるという魅力に惹かれて、今回の訪問を決めました。
ホテルからタマン・サファリまでの移動手段としては、通常はGRABタクシーが便利なのですが、週末のプンチャックは大混雑。GRABのドライバーも少なく、なかなかタクシーが捕まりませんでした。チャーター車を利用するオプションもありましたが、1日50万ルピア以上かかるため、今回はGRABバイクを選ぶことにしました。バイクに乗るのは気が進まなかったものの、急な山道をバイクで駆け抜けるのも、結果的にはスリリングな経験となりました。道中、プンチャックの緑豊かな風景が広がり、木々の間から見える山々が美しく、自然を満喫できました。ホテルから20分ほどでサファリの入口に到着し、バイクから降りた瞬間、すぐに動物たちが待つ大自然の世界へ足を踏み入れたという感覚に包まれました。
タマン・サファリの入口に到着すると、まずはチケットの確認です。入場料金は、インドネシア人およびKITAS(インドネシア滞在許可証)保有者向けに平日19万5千ルピア、週末・祝日は21万5千ルピアです。さらに、パンダ見学セットのチケットでは25万5千ルピアとなります。一方、外国人の料金は一律45万ルピアでかなり割高ではありますが、その価値は十分にあると感じます。事前にオンラインでチケットでKITAS料金で購入していたため、スムーズに入場することができました。
タマン・サファリは、一般的な動物園とは異なり、敷地内を車やバスで巡るサファリ形式の動物保護区です。自家用車で訪れる場合、そのまま車ごとサファリ内を移動し、動物たちを間近で観察することができます。一方、車を持っていない訪問者には、サファリの専用バスが用意されており、これに乗ってサファリツアーを体験することができます。
バスは定期的に運行されており、タイミングよく乗車できました。バスの座席は広々としていて、窓からの景色が見やすく設計されています。出発の際にはガイドがバス内で説明を行い、動物たちについて詳しく話してくれるので、動物に関する知識を深めながら楽しむことができました。
タマン・サファリのサファリゾーンは、広大な自然の中で動物たちが自由に暮らしている姿を間近で観察できる場所です。最初に目に飛び込んできたのは、広大な草原を歩くキリンやシマウマ。
これらの動物たちが、手を伸ばせば届きそうな距離でのびのびと歩いている様子は圧巻でした。
特に驚いたのは、ベンガルトラやライオンが放し飼いにされているエリアです。
バスの窓越しに、肉食動物がゆったりと歩き回る様子は、まさにサファリの醍醐味。迫力満点のライオンが車のすぐそばまで近づいてくる瞬間は、大人でも息を飲むほどの緊張感と興奮を味わうことができました。
他にも、スマトラゾウやサイ、オランウータンといったインドネシアならではの動物たちが登場し、その独特の姿や仕草に魅了されました。
動物たちは、特に怖がる様子もなく、ゆったりと過ごしている様子が印象的で、彼らの生息環境ができる限り自然に近いものであることを感じました。
途中、バスが一時停止し、乗客が餌をあげることができる場所もあり、動物たちとのふれあいの時間も楽しめます。
タマン・サファリは単なる観光スポットではなく、動物保護や環境教育にも力を入れている点が特徴です。園内には、絶滅危惧種の保護活動に関する展示があり、特にインドネシア固有種であるオランウータンやスマトラトラの保護に関する取り組みが紹介されています。訪問者は、これらの動物が抱える危機について学びながら、彼らを守るための努力がどのように行われているのかを知ることができます。
園内には、動物たちの生態や保護活動に関する教育的なパネルが設置されており、わかりやすく解説されています。また、ガイドが各動物について詳しい説明を行い、彼らの生態や特徴、さらには環境保護の重要性についても教えてくれます。このように、タマン・サファリは楽しむだけでなく、動物保護の意識を高める貴重な教育の場でもあります。
さらに、タマン・サファリは家族連れにとっても理想的な場所です。動物たちのリアルな姿を見て学ぶだけでなく、直接触れ合う機会も多いため、動物に対する興味や関心が自然と育まれます。こうした教育的な要素が充実しているため、家族でのレジャーとしても非常に価値のあるスポットです。
タマン・サファリでの体験は、ただ動物を見学するだけでなく、自然の中で彼らと共に過ごし、学ぶことができる素晴らしいものでした。バスでのサファリツアーは、大人でも終始興奮しっぱなしで、特にライオンやベンガルトラなどの肉食動物の迫力には圧倒されました。動物園とは一味違う、リアルなサファリ体験は、忘れられない思い出になること間違いなしです。