清々しい朝を迎えたプントゥク・セトゥンブの丘から、雄大なボロブドゥール遺跡(Borobudur)を一望することができました。夜明けの静寂が遺跡の歴史と美しさを引き立てる瞬間を経て、実際の遺跡への旅を始めました。
プントゥク・セトゥンブの丘からボロブドゥールまでの移動は、わずか10分。夜明けの太陽が雲間から顔を出し、照らす中で遺跡へと向かいました。6時半の到着で、7時のオープンを前にして、早朝の神秘的な空気を感じながら散策を楽しめました。
2020年から遺跡保全のため、遺跡に登ることが禁止され、観光は遺跡の周りを眺めるだけでしたが、遺跡の入場をめぐっては、外国人は100ドル(約1万3500円)、インドネシア人は75万ルピア(約6900円)に値上げする案が出て、世界中に波紋を呼びましたが、地元観光業が観光客減少を懸念して反対したため、引き続き外国人(11歳以上)なら25ドル、インドネシア国民かKITAS所持(同)なら5万ルピアを支払えば入場できることになりました。
しかし、料金の値上げは見送る一方で遺跡内部には、試験的に1時間毎に入れ替えしながら1日1,200人までの入場制限を設けて、遺跡に登ることが許可されました。観光客にはガイド同行のもと、遺跡を傷つけない特別な履物を履いた上で、遺跡を守りつつ、観光客にも楽しんでもらう試みが進行中です。寺院の中に入れるのは9時以降ということで2時間ほど寺院の周辺を散策することにしました。
ボロブドゥール遺跡は、ミャンマーのバガン、カンボジアのアンコール・ワットと並んで、東南アジアの偉大な遺跡の1つである。インドネシアのジョグジャカルタ郊外のボケドゥ盆地に所在し、世界的に知られる石造りの仏教遺跡であり、世界最大級の仏教寺院です。
ボロブドゥール寺院は、8世紀後半から9世紀前半にかけて建立されたと言われますが、メラピ山の大噴火により千年もの間火山灰の下に埋もれ、人々から忘れられていましたが、1814年イギリスのラッフルズ提督らに発見されたのをきっかけに発掘調査と修復が開始され、ついに1991年にボロブドゥール寺院遺跡群として世界文化遺産に登録されました。
ジャングルの中にそびえ立つその姿は、圧巻の迫力です。ピラミッド状に建設された寺院は仏教の曼荼羅を表現していると言われています。ボロブドゥールの遺跡を実際に目の当たりにすると、その壮大さと美しさには言葉を失ってしまいました。
描かれた浮彫りは、仏教の教えや当時の人々の日常を細かく伝えていて、歴史とアートの絶妙な融合を感じました。
特に、朝の静寂の中で遺跡を歩く経験は、自分にとって一生の思い出となりました。
インドネシアにおける仏教徒は、国民全体のわずかに0.4%にすぎない。遺跡周辺の村々にはほぼ仏教徒がいない土地での仏教遺跡は、不思議な感じがします。実際火山の噴火によって埋もれたという説が有力ですが、他宗教による破壊を避けるために意図的に埋めたという説もあり、ジャングルに覆われた中で巨大遺跡が発見された時には、びっくりしたことでしょう。
朝早く到着したので、涼しい時間帯に外から遺跡を2時間以上かけてゆっくりと見学することができました。ようやく9時になりいよいよ遺跡の中に入る時間となりましたので、準備したいと思います。次回、この旅の続きを詳しくお伝えします。