新鮮な魚が豊富に存在する南スラウェシ州マカッサルは、美味しいシーフードのお店がたくさんあります。
美味しいシーフードを食べるために、インドネシア中のシーフードファンがマカッサルに食べに来ますが、そのマカッサルシーフード料理の中でも、一番衝撃を受けたのが、ハコフグです。
ハコフグはインドネシア語で「クドゥクドゥ(kudu-kudu)」と言います。
クドゥクドゥは、殻が固い箱のように見えることから、一般的にボックスフィッシュとも呼ばれます。
クドゥクドゥは、マカッサルで非常に人気があります。
ハコフグはマカッサルの近海に生息しているので、多くのマカッサルにあるシーフードレストランがこの魚料理を提供しているのも不思議ではありません。
ハコフグは、フグ目ハコフグ科の魚でフグのなかまです。
ハコフグは、うろこや皮膚が固い甲羅状になった箱のようなからだが特徴です。
フグといえば、強い毒で知られるフグ毒(テトロドトキシン)をもっていることで有名ですが、ハコフグのなかまは、筋肉はもちろん、皮膚や内臓もフグ毒はありません。
しかしハコフグの皮膚にはテトロドトキシンではなく、パフトキシンと呼ばれる毒があり、捕獲時などに刺激を与えられると皮膚からその毒を出します。何かに食べられそうになったときなどに、自分自身の身を守るのに有効だそうです。
また当初は、皮だけに毒があるとされており、内臓である肝も食べられていましたが、内臓を食べた人が食中毒になる事故が発生し、内臓に猛毒であるパリトキシンを持つ個体の存在が明らかになっています。
内臓の毒に関しては、毒がある個体と無い個体がありますが見た目では有毒かどうかの判断ができないため、万一を考えて内臓を食べるのは控えましょう。
ハコフグは毒にさえ注意して適切な処理をすれば、非常に美味しく食べられる魚です。
長崎県五島列島などでは「かっとっぽ」というハコフグを丸ごと使ったみそ焼き料理が名物になっているなど、一部の地域では、ローカルな食材として人気があります
さて、マカッサルのハコフグは、マカッサル近海で獲れますが、いつもあるとは限りません。
マカッサルでも実は珍しい魚の部類で、漁獲できる季節にもよります。波が高い季節はなかなか手に入れるのは難しいそうです。珍しいので、値段もそれなりに高く2000円/Kg近くします。
クドゥクドゥは、ハコフグの肉だけを取り出して、ぶつ切りにカットされ、粉付してカラット揚げる、から揚げが主な食べ方です。
ハコフグの固い殻はすぐに捨てられるのではなく、油でこちらもカリカリに揚げられ調理されたハコフグの唐揚げを入れるための容器として使用されます。
ハコフグの大きな目で見つめられた姿に、初めて食べる人はかなり驚くでしょう。
ハコフグの殻も調理されてはいますが、食べられません。
見た目のインパクトはすごいのですが、食べるとふっくらとした白身の肉は、カニの肉のように食感はやわらかく、ジューシーな甘さがあり、唐揚げ粉のスパイシーなカリカリ感と合わさって、いくつでもいけます。
毒はありませんが、間違いなく中毒性がある料理ですね。