ココヤシは全ての部位が利用できる植物
インドネシアにいくと、ココヤシが至るところで見ることができ、南国を思わせる植物として見ることが多い植物です。ココヤシの実からできるココナッツの生産はインドネシアが世界一であり、全国で栽培されています。
生命の木
ココヤシは、ヤシ科植物に属していて、ヤシ科植物は、約180属2680種も存在するそうです。世界中に分布していて、世界各地で利用されています。特にココヤシは、全ての部位が利用できる植物として、「生命の木」として日常生活のあらゆる場面で利用されています。
70年間収穫できる
ココヤシは、実を植えてから、7年後に初めてつぼみができ、つぼみの中には雄花と雌花があり、雌花が受粉すると、成長してココヤシの実となります。ひとつのつぼみで9ヶ月後に5~10個のココナツがなります。毎月ひとつのつぼみが出現しますので、1本あたら年間60~120個の実が収穫できます。ココヤシの寿命が約80年といわれていますので、70年間はずっと実を収穫できるので、十分な収益をもたらす植物です。
全てを有効利用
ココヤシ非常に利用価値の高い植物です。茎は木材として用いられ、海洋の小島では唯一の材木となる場合もあります。葉は屋根を葺き、あるいは繊維を編んで敷物やカゴなどに加工されます。
果実はココナッツと言われ、主として食用になります。
固い殻の内部の周縁部には固形胚乳の層があり、中心近くには液状胚乳(ココナツジュース)が入っています。1個の果実には約1リットルの液状胚乳が入っていてそのままジュースとして飲み物になります。熱帯では多くの場合に野外の生水は衛生的に危険なことから、衛生的な飲み物として非常に重宝されています。お店などでも注文してよく飲みます。
固形胚乳はそのまま食べられるほか、ココナッツミルクなどに加工して料理にもよく使われます。油分が多く、石鹸などにも使用されます。
果実の皮からは繊維を取り出してロープやたわしなどができる。内側の固い殻は容器として用いられるほか、細工物にも使われる。熱帯地方の観光土産の定番です。
ココヤシからお酒もできる
インドネシアは、イスラム教徒がほとんどですがお酒を飲む習慣があるバリ島などでは、ヤシの木よりお酒『アラック』を作ることが出来ます。お酒『アラック』の原料はトゥアックと呼ばれるヤシの樹液が発酵したもので、ヤシの木の天辺付近にある花穂に傷をつけてポリタンクを仕掛けておくと勝手に溜まって発酵してくれるという仕組みです。ほぼ完全な天然のお酒です。アラックはとても華やかな香りで、ほのかに甘くフルーティーな味わいですがアルコール度数はけっこう高く、20~40度あります。アルコール度数が高く飲みすぎると死ぬ人もいるそうなので気をつけた方が良いお酒です。
収穫は重労働
ココヤシの実を収穫するには、20~30mの高い木の上まで登る必要があるため、体力が必要で危険な重労働となります。健康な男子の仕事と思えますが、実の販売や、カゴ作り、固形胚乳の利用は女性の仕事で、現金収入が必要になった村での生活で、ココヤシ商売は、現金収入の手段のひとつとして大きな意味を果たしています。
今までビーチに馴染む風景のひとつとしか見ていなかったココヤシですが、現地の生活には欠かすことができない大事な植物である事を再認識しました。