ジャカルタは、車社会なので、日本ほど鉄道が発達していません。ようやく2019年3月に日本のODAで地下鉄1路線(MRT)が出来ました。ジャカルタ市内はJRのような近郊電車が走っていて、ジョグジャカルタや、スラバヤまでの都市へ向かう長距離列車と、ボゴールやブカシに向かう電車(コミューター)が走っています。
今回は、「ジャボデタベック電気鉄道(PT Kereta Commuter Indonesia)」に乗って、スディルマンまで移動します。
ジャ…JAkarta、ボ…BOgor、デ…DEpok、タ…TAngerang、ベック…BEKasi
ジャカルタ (Jakarta)、ボゴール (Bogor)、デポック (Depok)、タンゲラン(Tangerang)、ブカシ(Bekasi)の5つの都市の頭文字を取った、ジャカルタ近郊都市圏の総称とのことです。
決して言いやすい名称ではありませんが、インドネシア人は、省略して言葉を作るのが好きみたいです。
このジャボデタベック電気鉄道は、日本の東急や東京メトロを引退した中古車両が現役で走り回っているということで、鉄道マニアの間では有名です。
今回は、ジャカルタコタ駅の1つ先の駅ジャヤカルタ駅からマンガライ駅で乗り換えしてスディルマン駅まで行きます。
まず、乗車券を窓口(Loket)で購入しますが、すべて乗車券はICカード(Commetカード)になっています。
総額 13000ルピア (約105円)です。支払金額の内訳は・・・。
ICカードのデポジット:10000ルピア(約80円)
スディルマンまでの運賃:3000ルピア(約25円)
電車から降りたときも回収されることはなく、2回目以降の乗車時窓口でチャージして使い回せるという仕様。ただし、しばらく使わないと有効期限があるらしく、このICカードは使えないよと言われてしまうので注意してください。このCommetカードは、ジャボデタベックCommuter専用カードということです。他の交通機関では使えません。
実はCommetカードの代わりになるものがあります。
それは、E-Moneyカード等の銀行電子マネーカード(E-Money、Brizzi、Tapcash、Flazz、Jakcard)です。いわゆるプリペイドカードです。インドネシア人ならほとんどの人が持っているカードで、E-Money カードならコンビニのインドマレットやアルファマートのコンビニで買うことが出来ます。レジの横に置いてある場合が多いです。銀行口座を持っている人は銀行で発行してもらえると思います。おすすめの理由は、E-Money カード には期限が無いからです。一度お金を入れておけば、永久的に使えます。
E-Money カードへの入金(TOP UP)はコンビニで出来ます。
E-Money カードは、高速料金を払う時、バスに乗る時、駐車場代とか車の給油でも使えたりします。地下鉄(MRT)も乗れるので、ジャカルタで観光する時はかなり便利です。簡単に買えるので、1枚買っておいて損は無いと思います。
早速駅に入ってみましょう!
駅の中はきれいで、ゴミもなく清潔です。電車はひっきりなしに来ますので、そんなに待たずに乗る事ができます。
路線図のラインカラーに対応していて。中央線(青・赤)、ボゴール線(橙・赤)、ブカシ線(青)、環状線(橙・青)となっていますが、電車は同じ色なので、まったく区別がつかないので、電車の全面の行先を良くみておいてください。インドネシアになれていないと、電車のアナウンスが早くて聞き取れませんので、グーグルマップで位置情報を確認しながら乗る事をおすすめします。
まずは中央線ジャヤカルタ駅からマンガライ駅間を行きます。1993年に日本の円借款により複線高架化してあり、電車は高いところを走行してジャカルタ市内を移動しますので景色が良いです。途中にあるガンビル駅は中長距離列車専用のため通過します。また、ジャカルタのシンボルである、モナスもみる事ができます。
外の景色をみていると、あっという間にマンガライ駅に到着です。
マンガライ駅は、環状線・中央線・ボゴール線・ブカシ線が接続する一大ターミナルでスカルノ・ハッタ国際空港へのアクセス鉄道であるスカルノ・ハッタ空港鉄道と接続しています。訪問した時には、とんでもない人でごった返していました。どのホームにどこ行きの電車がくるかどうかもわからないので、乗り換えの際は、駅員さんかちかくのインドネシア人に「スディルマンゆきは何番ホーム?」と聞くと教えてくれます。
電車が出発したら、すぐに線路にある乗換通路を渡る人たちを、そばで見ていると圧巻です。雑然とした雰囲気と、構内に鳴り響く大音量のアナウンスで見ているだけでもおもしろく日本では見られないカオスな印象を受けました。
今回環状線に乗り換えですが、たまたま電車が遅れていて、とんでもない満員電車に乗る事になってしまいました。マンガライからスディルマンは1駅なので我慢する事になります。
この1駅間ですが前半後半でジャカルタの進化の過程をみる事が出来ます。
マンガライから出発すると左にカーブしながらしばらくは家が密集していている古い町並みが続き、昔のジャカルタの生活が残っているようなところをすり抜けていきます。
Ciliwung川の川添いを行くようになると、急に発展したジャカルタに変化します。急に家1つ1つが大きくなり富裕層が住む地区を通過し、スディルマン通り金融街の高層ビルが乱立するスディルマン駅に到着します。
このわずか1駅5分たらずで、人々の生活暮らしの変化をみる事ができるのでタイムスリップしている感じです。
ジャカルタは急に発展したため、我々外国人は、ジャカルタの良いところしか目にすることがないのですが、ほんのちょっと郊外に数キロ離れるだけで、もともとのジャカルタの暮らしをみる事ができます。
貧富の差が大きく格差社会になっているジャカルタの数多くの問題もいろいろ見えてきます。通勤電車に乗りながらジャカルタの人々の暮らしぶりを想像し、貧しい人々と一緒に豊かになれるような国際協力ができれば良いと感じています。