腐敗認識指数(CPI)とは、トランスペアレンシー・インターナショナル(TI)が1995年以来毎年公開しているもので、世界各地の公務員と政治家がどの程度汚職していると認識できるかを、その度合を国際比較して国別に順位付けしたものです。
180カ国を対象にして、最も清潔な状態を100、最も腐敗している状態を0の範囲で採点しています。
2020年 順位 | 国 | 2020年スコア | 2019年 順位 | 2019年スコア |
1位 | ニュージーランド | 88 | 1位 | 87 |
1位 | デンマーク | 88 | 1位 | 87 |
3位 | フィンランド | 85 | 3位 | 86 |
3位 | スイス | 85 | 4位 | 85 |
3位 | シンガポール | 85 | 4位 | 85 |
3位 | スウェーデン | 85 | 4位 | 85 |
7位 | ノルウェー | 84 | 7位 | 84 |
8位 | オランダ | 82 | 8位 | 82 |
9位 | ルクセンブルグ | 80 | 9位 | 80 |
9位 | ドイツ | 80 | 9位 | 80 |
19位 | 日本 | 74 | 20位 | 73 |
25位 | アメリカ合衆国 | 67 | 23位 | 69 |
78位 | 中国 | 42 | 80位 | 41 |
102位 | インドネシア | 37 | 85位 | 40 |
179位 | 南スーダン | 12 | 179位 | 12 |
179位 | ソマリア | 12 | 180位 | 9 |
2020年腐敗認識指数によれば、最先進経済諸国だけでなく、世界の3分の2以上の国において、腐敗防止努力が停滞しているか、後退の兆しを示しているといいます。
TIは汚職・腐敗防止の活動は社会・経済・文化の違いを超えたグローバルな共通課題であるとの考えに立ちその国に合わせた汚職・腐敗の防止を後押ししています。
2020年のインドネシアの腐敗認識指数は37で180カ国中102位でした。2019年は指数40、85位でしたので、後退してしまいました。
インドネシアのスコアは世界平均の43を下回っています。
過去10年間、インドネシアは一貫して40ポイント以下しか獲得していません。
2020年は、海洋水産大臣と社会大臣が相次いて汚職撲滅委員会(KPK)に収賄容疑で逮捕され、辞任するなどが記憶に新しいところです。
分析によれば、CPIの評価の高い国では選挙資金規制がより厳しく執行されており、政党間協議がより幅広く行われています。
包括的な選挙資金規制がありきちんと執行されている国のCPI平均点は70点であり、こうした規制が存在しない国、執行が不活発な国の平均点はそれぞれ34点と35点であるそうです。
TIのデリラ・フェレイラ・ルビオ会長は、
「政府の腐敗への不満、各機関への不信は、政治の清廉性のより一層の必要性を示しています。」
「各国政府は、政治献金における多額のカネによる腐敗と、政治制度に与える不当な影響の問題に直ちに対処しなければなりません。」
と語っています。
「多くの国で腐敗防止の現実的な進展が見られないことには失望させられるとともに、このことは世界中の一般市民に深い悪影響を与えるものです。」
「腐敗を根絶し人々の生活を向上させるためには、政治とカネのつながりを断ち切る必要があります。ものごとの決定は、全ての国民の意見によって行われるべきなのです」
とTIのパトリシア・モレイラ 事務局長は語ります。
公表結果の分析によれば、既得権益による選挙・政治政党への献金により不当な影響を受けやすい国において、腐敗根絶への道のりはより険しいとのことです。