甲イカをさばく! インドネシア人が刺身を食べるようになるためは?
胴体の背側に、石灰質の甲を持つのでコウイカ(Cuttlefish)といいます。
日本では、紋甲イカやスミイカなどと言われ寿司ネタや刺し身で食べるとねっとりとした柔らかい食感がおいしいイカです。
インドネシアでもコウイカがたくさん獲れます。ちょうど獲れたてコウイカが入荷したので、早速刺し身にしてみました。
コウイカのさばき方
コウイカの甲を取り出す
- 甲の中心に切り目を入れます
- 強く張り付いている部分は包丁で切れ目をいれます
- 頭側に押し出すようにして取ります
- 甲が簡単に取れます。
コウイカのワタを抜く
- 目の下あたりをつかみ、上に持ち上げるようにしながら反対側に引っ張ると、内蔵全部が頭ごとキレイに取れます。
- 残った汚れなどを洗い落とせば完成。
- 内蔵を落として、下足だけにします。足をバラにするだけ。
- コウイカのゲソは下ごしらえとして加熱した方が良いです
コウイカの皮剥き
- まずは外皮を剥きとります。
- 耳(エンペラ)と身の間に親指を突っ込んで、耳をつかんで皮ごと身から剥ぎ取ります。
- 先頭の方をめくり上げるようにして少し剥がし
- 指で探るようにしつつ左右均等に剥がしていきます
- 1/3程度まで剥けたら、あとは一気に引っ張って剥き取ります
刺身にするなら、さらに内側の薄い皮も剥きましょう。
コウイカの刺身
コウイカ類とアオリイカの薄皮は口に残ってしまうので、そのままで刺身に切ると食感が悪くなります。薄皮も丁寧に剥いてから刺身にしましょう。
コウイカの薄皮の剥き方
イカの四隅に8分目ほど庖丁目を入れておきます。(切り離さないように注意)
- 胴体の先側面、切り目を折り曲げると、薄皮を剥き始める手がかりになります。
- その手掛かりからゆっくり全体的に剥がしていきます。
- ひっくり返して腹側の薄皮も剥きとります。
- 薄い皮なので全体を均一に剥かないとすぐに切れてしまいます。
- うまくいかない時は、濡れ布巾でこする様にしながら少しずつ剥くといいでしょう。
刺身完成
- 薄皮を剥いたコウイカを切り分ける
- 5mm~1cm幅に切れば刺身になります。
- 寿司ネタなどに使う幅広刺身はそぎ作りで切ります。
醤油につければ、立派な刺身ですが、インドネシア人スタッフは、勧めてもなかなか食べようとしません。刺身を食べる文化がないので、かなり抵抗あるようです。
せっかく新鮮なイカが手に入るのに刺身で食べないのはもったいないと言うと恐る恐る口に入れてくれました。
甘く、ねっとりと下食感は、刺身ならではの美味しさであると実感しました。
インドネシア人スタッフのために、残りは唐揚げにして食べましたが、こちらは大人気で、すぐになくなってしまいました。
なぜ刺身を食べないのか
元々のインドネシアの魚の流通が悪く、鮮度が良いもの悪いものが混じっているため加熱して食べる事が普通となってしまいました。
日本の様に流通段階で冷蔵、冷凍設備がきちんと整っている訳ではないため、暑い国で少し放置するだけで傷んでしまいます。昔日本でも、流通が悪かった内陸や山間部では、魚を塩漬けや酢漬けにして運びました。塩鮭や酢タコなどは良い例です。
インドネシアで漁獲された魚をどうしたら鮮度良く消費者まで届けることができるかをいつも考えています。インドネシアでも獲れたての魚は刺身でも十分食べられる品質です。
日本の様に島国で魚も豊富に獲れますので、刺身文化が少しでも定着できる様なコールドチェーン構築を進めていきたいと考えています。