インドネシア サイクロン・台風は来ない?
日本では、7月にはまったく台風が発生しませんでしたが、今月に入り立て続けに台風が発生しています。台風の進路によっては、接近または上陸して毎年大きな被害をもたらします。インドネシアでは、あまり台風・サイクロンの話を聞きません。なぜなのでしょうか。
コリオリ力(りょく)
赤道直下では台風・サイクロンは出来ません。
「熱帯低気圧」として積乱雲のかたまりが北上し北緯5°を過ぎるとコリオリ力により回転を始め、温度の高い海面から水蒸気を得て急激に発達します。
台風は赤道の上では出来ません。なぜなら、回転する力がないからです。
この回転する力のことを「コリオリ力」と言います。
コリオリ力は赤道上ゼロになります。北と南に行くにつれて大きくなります。そして北半球と南半球は回転する方向が逆になります。
台風とハリケーンとサイクロン
最大風速の基準に違いはありますが、熱帯低気圧が存在する地域によって、その呼ばれ方が違います。
台風は東経180度より西の北西太平洋および南シナ海で日本の分類となります。
ハリケーンは北大西洋、カリブ海、メキシコ湾および西経180度より東の北太平洋東部で発生する熱帯低気圧。
サイクロンはベンガル湾、北インド洋、南インド洋やオーストラリア近海に存在する熱帯低気圧のことを言います。
インドネシア付近で発生する熱帯低気圧は、サイクロンとなります。
インドネシアはコリオリ力が小さい
インドネシアは、スマトラ島が赤道直下にある他は、ジャワ島などスンダ列島の大部分は南緯5度付近に横たわっています。
南緯5°付近のインドネシアでは、サイクロンが起きにくい事はたしかです。
サイクロンは台風ほどには発達しませんが、それでも強い暴風雨を伴い、台風と違って右巻きの渦である点を除けば、構造や性質は台風と同じです。
インドネシアでは、数年に一度サイクロンが襲う事がたまにあります。
スマトラ島沖で2017年11月に発生したサイクロン「ダーリア」、「チュンパカ」による豪雨の影響で人的被害がでました。
毎年起こる天災に備えを
天災に関しては「巨大化、強大化」、「予期せぬ出来事」「想像しなかった場所」で100年に一度が毎年起こるような気象状況になっています。
地震、火山活動、豪雨、竜巻などインドネシアの天災は日本によく似ています。
日本やインドネシアだけでなく、天災は予知、予測が難しい世界ですが、防災意識を高めておくことは大事となってきています。