マイクロソフトが毎年発表している、インターネットの健全さを示す指標となる2020 Digital Civility Index(DCI)を発表しました。
この指標は、世界中のネット民の礼儀正しさのレベルを測定したものです。インドネシアは、32カ国中29位で、アジアでは最低の民度でした!
DCIは、マイクロソフト社が独自に集計を行っているもので、インターネット上での迷惑行為や嫌がらせ、詐欺などのリスクを数値化したものです。安全・健全なインターネット環境を考える上で、インターネットの健全性指標を出して、皆で健全なインターネット環境をつくっていきましょうとの趣旨で発表しています。
DCIは2016年から毎年発表され、今回の調査では、2020年4月から5月の間に32カ国の10代の若者と成人16,000人以上を対象に調査を実施しました。
回答者は、遭遇する21種類のオンライン上のリスクについて質問され、行動、性的、評判、個人的/侵入的なものの4つのカテゴリーに分類されています。
点数は、0から100までの範囲で評価され、点数が低いほどオンライン上での礼節を重んじていることになります。
昨年の調査と比較すると、2020年のインドネシアのDCIは、8ポイント低下して76点となり悪化しました。
悪化の原因は大人の対応にあると言われています。
マイクロソフトは、インドネシア人が直面しているオンライン上のリスクとして、
デマ、詐欺、詐欺が47%
ヘイトスピーチが27%
差別が13%
3つの大きなものを挙げています。
これらは主に見知らぬ人からのもので、回答者の48%が表明しており、24%が調査時に過去1週間にリスクを経験したと回答している。
10人中4人(回答者全体の42%に相当)が、コロナ禍の流行中はオンライン上での礼節が良くなったと回答しています。
しかし、17%の回答者は、コロナ禍の間にオンラインでの礼節が悪くなったと答えており、その理由として、誤った情報や誤解を招くような情報の拡散が増えたことや、利己的な行動をとる人が増えたことを挙げています。
また、この調査では、回答者の47%がオンラインいじめに巻き込まれたことがあると回答しており、そのうちの19%がいじめっ子に狙われていると答えています。
いじめの被害を最も受けた世代はミレニアル世代で54%、次いでZ世代が47%、X世代が39%、団塊世代が18%となっています。
東南アジアでは、隣国のシンガポールが59点、マレーシアが63点、タイが69点、ベトナムが72点となっています。
世界で最もスコアの高い国は、オランダ、イギリス、アメリカ、シンガポール、台湾の5カ国となっています。
日本は調査対象外となっているようです。
インターネット上で誹謗中傷や嫌がらせのメールやSNS等、社会問題にも発展している大きな問題です。最近は、見た人があっと驚く変わった投稿や危険な投稿を、あえてアップする人が増えてきています。しかも、それが個人だけでなく、学校や会社、所属する団体まで巻き込んだ大事になるケースが頻発している点が悩ましいところです。
投稿した本人には悪気がなかったとしても、受け取る側からしたら大問題であることは明白です。投稿は瞬く間に拡散してしまいますので、仮に事態に気づいて投稿やアカウントを消したとしても、それはすでに後の祭りとなります。
社会問題となったSNSでの不適切投稿の投稿を見て、多くの人はそれを他人事のように思ったかもしれません。しかし、注意して扱わなければ、SNSを利用する人なら誰でも炎上のターゲットになり得ることを理解する必要があります。自身のフォロワーの中に、そうした投稿を広める動きがある人が1人でもいれば、拡散されてしまう恐れがあります。
公開範囲に関係なく他人も閲覧するSNS上では「不適切な投稿を絶対にしない」というのが大前提になります。「信頼のできるフォロワーだけに限定している」という場合でも、その中の誰かが投稿に対して不快に思ったり、悪だくみを考えたりして投稿をシェアしてしまうと「身内だけのつもりだった」という言い訳ができないということです。
また、不適切投稿をしたのが社会的な地位が高い人や有名企業の関係者の場合は、さらに炎上を目論む「ネット民」の標的にされやすいので注意が必要です。SNSが炎上するまで平穏な暮らしをしていても、1つの投稿でそれが壊れてしまう危険性があることを認識する必要があります。
SNSを個人で利用する人が多いだけに、問題の発端は個人であることがほとんどです。何かトラブルが起きて大損害を生まないためにも、自らが日々の行動を戒めることが先決でしょう。
SNSで炎上騒ぎが起きた場合、残念ながら企業もスタッフを完全に守ることができるとは言い切れないのが実情です。そのため、最善策はトラブルを起こさないように予防線を張ることになります。
なおマイクロソフト社は、より健全なインターネットを目指すために、
「相手を尊重する」
「多様性を認める」
「攻撃的な発信をしない」
「他の人を支援する」
という4つの行動指針をしめしています。
健全なインターネットには個々人が正しい情報を認識して、間違った情報に流されない、踊らされないようにすることが大切です。個々がリテラシーを高めて自覚を持つようにしましょう。