インドネシアでは急速に感染者が減少しています。一時期は新規感染者数と死者数は世界最悪の水準にまで悪化していましたが7月3日から始まった緊急活動制限から2ヶ月が過ぎて状況は落ち着きつつあります。
インドネシアでは6月中旬からデルタ株が猛威を振るい、感染が急拡大しました。インドネシア政府は7月3日から人口が集中するジャワ島と国内観光客が戻りつつあったバリ島で緊急活動制限を発表して完全在宅勤務と商業施設の営業停止を原則義務付けしました。その後、感染拡大対象地域をスマトラ島やカリマンタン島などの地方都市にも広げました。
強い行動制限のおかげで人流は通常時の80%以上まで抑制できたようです。同時にワクチン接種を強力に推し進め首都ジャカルタでは接種目標の100%を超える接種を完了しました。
7月中旬に5万人を超える感染者のピークを迎えてから減少に転じ、8月下旬1万人を
割り込み、9月5日の感染者は5,403人まで減少となり5月末頃の感染者数同レベルまでになりました。
感染者のピークであった7月15日の感染者が56,757人でしたので、1割まで下がりました。
インドネシアの隣国マレーシアでは、感染者が連日2万人を超えておりいまだ感染減少の兆しが見えていません。マレーシアの人口は、約3,200万人ですので、100万人あたり600名の感染者となります。インドネシアの人口の2割しかいないマレーシアですが、インドネシア同様の強いロックダウンを行っていても感染者が減らず、インドネシアの急激な感染者減少に驚いているそうです。
インドネシアとマレーシアでは人種も生活レベルもそれほど変わらないのですが、どちらかというと人口の多いインドネシアよりもマレーシアの方が感染拡大をコントロールしやすいと思うのですが、何の政策が大きな違いを生んでいるのかを調査したいと思います。
感染者減少により活動制限のレベルを下げつつも、徐々にモールや飲食店のお客を入れた営業も許可することになり、ワクチン接種済証明書を活用した経済活動の再開を模索中です。インドネシア政府としては、ワクチン接種が進んでも油断しないようにマスク着用や感染防止策を徹底するように国民に呼びかけています。
私としては、いち早くインドネシアには感染を抑制してもらい、インドネシアへの入国ができるように新規査証発行を期待したいところです。