インドネシア政府は、新型コロナウイルスの感染急増を受けて、7月3日から20日まで首都ジャカルタを含むジャワ島とバリ島で「緊急活動制限」を行うと発表しました。新型コロナウイルス感染者が激増したためで、基幹産業を除いて100%の在宅勤務が義務付けられるそうです。
インドネシアのジャカルタを含むジャワ島では感染力の強いデルタ株が流行しており医療体制が崩壊の瀬戸際に立たされています。病床不足が深刻化し、ぐったりした人々が病院の外に横たわる光景が報じられています。ジャカルタでは病床を確保するため、病院の駐車場にテントが設営されており、自宅療養中の親族のために酸素ボンベを購入する人々が行列を作る姿も見られ、ちょっと前のインドの状況を見るような光景がジャカルタで発生しています。
感染者は6月中旬から急増して、1週間の増加数は1日平均2万人を超え、5月の4倍に膨らんだ。7月1日には、過去最多の504人が新たに死亡したと発表されました。
インドネシアでは、これまでに217万人以上が新型コロナに感染して死者は5万8千人に達しています。
在宅勤務100%の導入は初めてとなります。これまで経済活動を優先して都市封鎖を避けてきましたが、大幅な制限強化となってしまいました。在宅となると、企業活動がかなり制限されるため、経済活動に大きな支障をもたらすこととなってしまいそうです。
持ち帰りを除く飲食店の営業停止や、百貨店や礼拝所および観光・文化・運動施設の閉鎖などがおこなわるようです。
このような状況では、ジャカルタでは外出が難しくなるでしょう。
飛行機による移動を含めた移動制限がかかりそうです。ワクチン接種証明書提示2日以内のPCR検査が必要となりそうです。いまのところ、飛行機の減便等の話は聞こえていませんが、前回のレバラン休日前後のような動きになるのではないでしょうか。
インドネシアに向けて日本が提供する新型コロナワクチンが発送されました。日本がインドネシアに無償で提供するアストラゼネカ製の新型コロナワクチンで、100万回分ずつ送られます。ワクチンの接種率はインドネシアで人口のおよそ4.9%にとどまっていて、ワクチンの確保が喫緊の課題となっています。
今回の緊急措置はバリ島とジャワ島が対象ですので、マカッサルがあるスラウェシ島は対象外となりました。まだマカッサルでは感染者が急増している様子はありませんが、時間の問題かもしれません。レストランも20時までですが営業しています。
深刻な事態となってしまったインドネシアですが、今回の緊急措置で感染拡大が止まることを祈ります。