2025年2月20日、インドネシアのマカッサルにて、天皇陛下の65歳の誕生日を祝うレセプションが開催されました。インドネシア国内では、ジャカルタの大使館だけでなく各地域の総領事館や現地の日系企業などが協力して、天皇陛下の誕生日を祝うイベントが毎年行われています。マカッサルはインドネシア東部地域への玄関口とも言われ、近年は日本企業の進出も増えており、両国の交流拠点として注目を集めています。
毎年、このレセプションに参加させていただいていますが、改めて日本とインドネシアの友好の深さを感じる貴重な機会でした。会場には、当地の政府関係者やビジネス界のリーダー、日本人コミュニティの方々など、多彩な顔ぶれが集い、とても活気ある雰囲気でした。今回は、その様子を詳しくお伝えしようと思います。
レセプションは19時から始まり、受付後はドリンクを片手に歓談を楽しむ時間が設けられていました。その後、主催者である在マカッサル日本総領事事務所や南スラウェシ州関係者の方々などによるスピーチが行われ、天皇陛下の誕生日を祝うセレモニーがスタート。日本の国歌とインドネシアの国歌が流れる厳粛な雰囲気の中、両国の友好関係の重要性が改めて強調されました。
また、レセプション会場には日本企業のブースが出展され、名刺交換などを通じて新たな交流を探る場面も見られました。単なるパーティーというより、外交とビジネス、文化交流が一体となった総合的なイベントという印象でした。
このレセプションには、南スラウェシ州政府の代表や地方の要人、日本人コミュニティのメンバーをはじめ、マカッサルで活躍する多くの人々が招待されていました。特に、日本と取引のある地元企業や大学関係者なども積極的に参加しており、会場内は熱気に包まれていました。普段はなかなか会えない同胞と交流を深める貴重な場にもなっていました。
私も久しぶりにお会いする方々や、新たにお知り合いになった方々と情報交換ができ、「これほど多くのインドネシアの方々が日本に興味を持っているのか!」と改めて驚かされました。
今回のレセプションでは、参加者に日本文化を知っていただくために、さまざまな工夫が凝らされていました。
できたての丸亀製麺のうどんが会場で振る舞われ、コシのある麺と出汁の風味を存分に楽しむことができました。
寿司亭からは、握りや巻き寿司などが提供され、初めて寿司を口にするという方々も興味深そうに試していました。
日本酒は、フルーティーな香りのものから辛口タイプのものまで数種類が振る舞われ、日本食とのペアリングを楽しむことができました。
会場の一角には華やかな着物がディスプレイされ、色鮮やかな柄や繊細な刺繍が目を引きました。さらに雛人形も飾られており、3月に近づく雛祭りの風習を紹介するパネルが添えられていました。多くの方が足を止め、写真を撮りながら日本の文化に思いを馳せている姿が印象的でした。
こうしたおもてなしのおかげで、日本に行ったことのないインドネシアの方も「まるで日本を旅しているようだ」という気持ちを味わえていたのではないでしょうか。
会場には日本企業や日系の現地法人がブースを並べ、それぞれの事業内容や製品を紹介していました。当社もその一つとして、インドネシア産タコを使った試食コーナーを出展することにしました。
下味をつけたタコをこんがりと焼き、適度な歯ごたえと香ばしさが楽しめる一品として提供しました。特製の醤油ベースのソースとの相性も抜群で、試食された方からは「こんなにタコが美味しいなんて知らなかった」と好評でした。
冷たいままスライスしたタコをわさび醤油で食べていただきました。インドネシアではあまり馴染みのない食べ方のようでしたが、「歯ざわりがとても良い」「さっぱりしていて食べやすい」というポジティブな声が多く寄せられました。
タコをインドネシア流の調理や味付けにアレンジすることで、新たな魅力を再発見できたという声をいただけたのは嬉しい限りです。今後はタコの食材としての可能性をさらに広げていきたいと感じました。
天皇陛下のお誕生日を祝う公式行事を通じて、両国の外交関係がさらに深まる様子を直接感じました。インドネシア側の政府関係者からは、日本の技術力や文化的魅力への関心がいっそう高まっていることが伝わってきました。一方で在住日本人にとっても、現地の方々との交流を進める良い機会になったと思います。
食文化はもちろん、着物や雛人形といった伝統文化の展示を通じて、日本への興味を持ってもらう大変良い機会になったと感じます。日本に実際に足を運んだことがある方も、まだ行ったことのない方も、こうしたイベントをきっかけに「次回は日本の桜を見に行きたい」「神社やお寺も訪れてみたい」という声が多く聞かれました。
マカッサル在住の日本人同士はもちろん、インドネシア人を含む多国籍の方々とも直接お話しできる貴重な場で、「もっと一緒にイベントを開催しましょう」「地元の学校でも日本文化を紹介したい」といった積極的な意見も飛び交っていました。こうしたつながりが地域社会の発展や異文化理解を促す大きな一歩になると実感しました。私自身も、多数の来場者と会話を交わす中で新たな発見やビジネスチャンスを感じる瞬間が多く、「イベントに参加して本当に良かった」と思える充実した時間となりました。
まとめ
今回のマカッサルでの天皇誕生日レセプションは、単なるお誕生日のお祝いの場にとどまらず、日本とインドネシアの関係をより一層深める、外交的・文化的に意義深いイベントであることを改めて実感させてくれました。天皇陛下の65歳のお誕生日をお祝いしつつ、政府・企業・コミュニティが一堂に会して互いの理解や絆を強める姿は、まさに両国の未来を明るく照らす象徴的な光景だったと思います。
また、普段はなかなか会えない在住日本人や、日本にゆかりのあるインドネシアの方々との再会・新たな出会いを通じ、これからも一層の連携と交流が進むことを期待します。私自身も、これを機に新たなプロジェクトやビジネスのアイデアを得ることができ、大変有意義な時間を過ごすことができました。
これからも日本とインドネシアが末永く手を携え、それぞれの強みを活かしながら共に発展していけるよう、微力ながら貢献していきたいと心から願っています。