バルセロナの主要な鉄道駅、フランサ駅とサンツ駅を訪問しましたので、両駅の魅力を紹介いたします。
昔の雰囲気が色濃く残るフランサ駅は、19世紀に建てられたバルセロナのかつての中央駅です。フランサという駅名は、カタルーニャ語での「フランス」を意味し、1848年にフランス方面への列車の駅として開業しました。19世紀には、フランスからの列車が到着する駅として、またカタルーニャの北東部への路線の起点としても使用されました。
現在はサンツ駅に次ぐ2番目の発着数を誇りますが、大半は近郊線で、長距離列車の発着は少なくなりました。フランサ駅の建物は、1929年のバルセロナ万博の際にモデルニスモやアールデコスタイルで立て替えられ、その美しさから市民に愛されています。
現在は12のホームがあり、renfe(スペイン国鉄)の列車が発着するこの駅は、その自然光と静けさで、バルセロナで最も美しいターミナル駅と言われています。
フランサ駅を歩くと、まるで時が止まったかのような感覚に包まれます。天井から差し込む柔らかい日光が、モザイクタイルの床を照らす様子は絵画のよう。一歩駅を出れば、バルセロナの活気ある街並みが広がっているのに、駅の中は静かであたかも別世界のようです。
駅のベンチに座りながら、ぼんやりと列車を眺めていると、かつての旅人たちの様子を想像することができました。
一方、サンツ駅は現代的で活気に満ちています。駅の巨大なガラス窓からは、常に行き交う人々の様子が伺え、その動きはまるで都市の鼓動のよう。大都市バルセロナの中心とも言えるこの駅は、多くの人々の出会いと別れの場所となっています。
サンツ駅は、バルセロナの最大ターミナル駅で、年間利用者数は約3千万人。1979年に開業したこの駅は、高速鉄道Aveのマドリッド行きが発着するほか、フランス、イタリア、スイスへの国際列車も運行しており、まさにバルセロナの陸の玄関口と言えるでしょう。
また、レンフェによって運行される近郊電車 (セルカニアス) や中距離、長距離列車、国際列車も発着しています。駅は、1975年にバルセロナ中心部の地下を貫く路線の一部として建設され、現在ではフランサ駅を超えるバルセロナの新しい中央駅となっています。ホテルやレストラン、ショップなど、旅行者にとって必要な施設が整っており、その賑わいは圧巻です。
ホームでは、待ち合わせをするカップルや家族、友人たちの笑顔が溢れています。出発のアナウンスが流れると、それぞれの列車に乗り込む人々の足取りは、次の目的地への期待とわくわくで一杯です。
フードコートやショップが連なるコンコースでは、多くの旅人や市民が、食事を楽しんだり、お土産を探したりしています。
駅の中は、常に新しい発見がある場所として、訪問者を魅了してとどまりません。今回はこの2つの駅を訪れる機会がありましたが、それぞれの魅力を感じることができました。
次回は、こちらの駅からの列車で遠方への旅を計画したいと思っています。