インドネシアの国営ガルーダ・インドネシア航空(ガルーダ)が、アイルランドの航空機リース会社2社からリース料の支払いを求めていた裁判で、ロンドン国際仲裁裁判所はガルーダの敗訴の判決を下しました。新型コロナウイルス感染の影響で大きなダメージが続いていますが、厳しい経営状況はしばらく続きそうです。
問題の発端は2020年3月から5月までの航空機リース料を支払っていなかったためアイルランドのリース会社がオランダとフランス、後に英国のガルーダの保有口座の差し押さえを求める訴えを起こした事が発端です。
このうち英国の裁判所は2021年1月、ガルーダが2020年1〜10月リース料や利息を滞納したとして総額515万ドル(約5億6,600万円)の支払いを命じる判決を下していました。
今回ロンドン国際仲裁裁判所は、リース会社にオランダとフランスにあるガルーダの保有口座の差し押さえを認め、ガルーダの敗訴の判決を言い渡しました。
ガルーダ航空は、ボーイングやエアバスなど航空機124機を運航していますが、自社保有機は6機のみで、残りは全てリース機のようです。今回の裁判で支払額などの詳細は公表されていませんが、他の債権者も同様の訴えを起こす可能性があると懸念されています。
ガルーダは今年上半期(1〜6月)期の連結決算で売上高は定期便部門の減収が響いて24%減の6億6980万ドルと大きく縮小し、純損失が8億9,866万ドルの赤字となり、赤字額は前年同期比で26%も拡大してしまいました。
ガルーダは、インドネシアの多くの公務員が出張のために利用していました。ガルーダに搭乗すると、中央政府や地方政府の役人が制服のまま搭乗していて、ガルーダに乗ることが一般的なのだろうと思っていました。
案の定、ガルーダは、インドネシア公務員に公式の航空便を提供する特権を持つ航空会社として、Government Online System(GovOS)を通じて政府機関に特別なチケット予約も提供しています。公務員向けに国際線は2割引、国内線は1割引で購入できる割引があるようです。またガルーダラウンジにアクセスできるプラチナカードも提供もあり、公務員がラウンジで時間まで寛いでガルーダで出張の特権が与えられていたようです。
現在公務員の出張も激減していて、ガルーダの収入が大幅に減少してしまいました。
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長期間継続している新型コロナウイルスの影響により世界の航空各社は厳しい経営となっています。つい先日もフィリピン航空が破産法を申請してしまいました。
ガルーダもかなり厳しい状況です。個人的には、ガルーダのサービスには満足しているので頑張ってもらいたいですけど、経営陣の苦悩の日々は数年続くものと予想されます。