インドネシア中央統計局が5日に発表した2023年の国内総生産（GDP）は、物価の変動を除いた実質で前年比5.05%増となりました。この数字は、インドネシアの経済が2023年に5%の成長率を記録したことを示し、国の経済的ポテンシャルの重要な指標となります。
2023年の経済成長は、主要輸出品であるパーム油や石炭、ニッケルの価格が下落したにもかかわらず、国内経済の強さを示しています。この下落は、世界経済の減速と主要貿易相手国の需要減少によるものです。しかし、家計消費の堅調さやサービス消費の好調、建設需要の拡大など、内需がこの成長を支えています。
ジョコ大統領は、2019年から2045年にかけてGDPを世界5位以内にするという野心的な目標を掲げています。この目標の達成には、年間6〜7%の成長率が必要です。政府は2024年のGDP成長率を5.2%増と予想し、今月14日の大統領選に向けた支出や政治的不透明感の緩和により、民間投資がGDP成長を後押しすると見ています。
インドネシアは、世界の新興国の中で特に堅調な成長を続けている国の一つです。内需主導の経済構造が、世界経済の停滞期でも持続可能な成長を可能にしています。この内需主導の経済は、国内消費に大きく依存しており、経済成長の主要な原動力となっています。
インドネシアの経済成長の一つの大きな支えは、その人口です。2023年3月現在で2億7,000万人を超える人口は、経済成長に大きく寄与しています。生産年齢人口の増加は、「人口ボーナス」と呼ばれる現象を生み出し、経済の拡大を促しています。
インドネシアの輸出は1次産業に大きく依存していますが、国内での産業育成や、付加価値の高い商品の輸出増加が、経済発展のカギを握っています。政府は、これらの産業の育成に向けて、さらなる努力を続けています。
2022年の1人当たりGDPは4,798USドルで、世界116位に位置しています。しかし、インドネシアの経済が安定して成長を続けることで、1人当たりGDPは今後上昇すると期待されています。インドネシアの人口の厚みと成長の開拓余地が、この国を先進国への道で大きな分岐点に立たせています。
インドネシアの経済は2023年に5%の成長を達成し、内需主導の経済構造と強力な人口動態がその背景にあります。先進国入りの目標に向けての道のりはまだ長いですが、インドネシアはそのポテンシャルで多くのチャンスを秘めています。経済成長を維持し、さらに加速させるためには、産業政策の成功と国内での消費及び投資の促進が鍵となります。