インドネシアで昨日大きな地震が発生しました。今のところ大きな被害は報告されていませんが、日本と同様地震が多い地域であるため、地震に対する備えが十分であるのか不安になることもあります。
12月14日の午前中にフローレス海で発生したマグニチュード7.5(後にアメリカ地質調査所がマグニチュード7.3と更新)で、震源の深さは18.5キロでした。マカッサルでも揺れたとの報告がありましたが、立って仕事をしていたため気が付く事はありませんが、座っている人は揺れを感じたとのことです。
地震の規模が大きく、震源の深さが比較的浅かったので、周辺には津波が来るとの情報が入りましたが、フローレス島で7cmの潮位を確認しただけで、その後大きな水面上昇が発生しませんでしたので津波注意報は解除となっています。海面上昇はなかったので一安心ということですが、繰り返し大きな地震が起きる可能性もあるのでしばらくは注意が必要でしょう。
スラウェシ島の南に島がたくさん連なっているスライヤール県では震源に近い島の家屋が倒壊したようですが、人的被害はまだ報告されていません。今後も被害が少ない事を祈ります。
インドネシアは日本と同様にユーラシアプレートの境界に乗っかっているのですが、そのユーラシアプレートにインド・オーストラリアプレートが滑り込んでいるため、ひずみがたまりやすく、地震が多発してしまう仕組みです。
日本では家屋には厳しい耐震基準が設けられるなど地震対策が進められていますが、インドネシアの郊外では木の柱を使用したコンクリート造りやレンガ造りの建物が多く、ひとたびちょっとした地震でも家屋が倒壊してしまい、下敷きになってしまうことも多く、地震対策はまだまだ低いと言えるでしょう。
大きな揺れを感じた後に安心できないのは、津波の被害です。
大きな地震の後に遅れてくる津波の怖さは、2018年に起こったスラウェシ島パルの津波が思い出させます。パルの街は湾の一番奥にある港町で、湾の外を震源とした津波が湾内で増幅され高さ10mの巨大な波が押し寄せ大きな被害を出しました。この時の地震の後に津波警報が発表されていましたが、警戒システムが機能せず高台への避難経路がはっきりしないため、海岸の周りに大勢の人が残ってしまった結果被害を大きくしてしまいました。
今回の地震においても、一番先に知ったのは地震が起きてから1時間後でありインターネットのニュースでした。日本のように防災無線やサイレンなどの警報施設もないので、ニュースを見ないと情報が取れないという恐怖もあります。
マカッサルのような海面1~3mのほとんどが平らな人口密集土地で津波が来てしまったら、高台などがないのでどこに逃げたら良いのか不安もあります。いざという時にどういった行動をとるのか、平時に備えておかないといけないのかもしれません。