本日3月11日は、東日本大震災からちょうど10年経ちました。
インドネシアでも17年前の2004年12月26日、インドネシア・スマトラ島沖を震源とするマグニチュード9.1は東日本大震災と同程度の巨大地震及び大津波により、インドネシアだけで死者・行方不明者22万人という未曾有の被害が発生しました。
インドネシアは、日本同様その地形的な条件により、地震、津波、火山噴火、洪水などの自然災害が数多く発生します。本日は、インドネシアの地震について、話をしたいと思います。
ユーラシアプレートの下に沈み込むインドオーストラリアプレートの潜り込みの動きは、たびたび大地震を引き起こしています。
2004年12月に22万人以上の犠牲者を出した、マグニチュード9.1のスマトラ沖地震では、アチェ州の州都バンダアチェの市街地に大津波による海水がなだれ込む衝撃的な映像が流れました。
2012年4月に発生したスマトラ沖地震では観測史上最大の横ずれを計測しました。
最近では2018年9月にはスラウェシ島のパルで発生したマグニチュード7.5の断層型のスラウェシ島地震では、液状化による泥流によって大地が崩壊し、家や森が飲み込まれる大規模な液状化現象が発生しました。
そして先日2021年1月15日に西スラウェシ島でマグニチュード6.2の地震が発生したのは、記憶に新しいところです。
日本とインドネシアが共通するのは、地震多発地域であることであり、マグニチュード4以上の地震が年平均400回以上も発生しています。
インドネシアは、インドオーストラリアプレート、ユーラシアプレート、太平洋プレートの合流点が通過し、プレートの接面が海にあるため、震源の浅い地震は津波を発生させ、地殻断層や火山性の地震でも都市部の浅い地下を震源とする場合には大きな被害が予想されています。
地震の伴う津波も頻繁に発生します。1600年以降約400年の間にインドネシアで発生した津波は100回も起きており、34万人以上の死者を出していると言われています。
次の図は、インドネシアで地震がよく起こる場所を示したもので、赤い点のところが最も地震が起こりやすい場所とされています。
この図を見ると、インドネシアで地震がよく起こる地域は、インド洋側に面した地域と、スラウェシ島の北側とニューギニア島北側およびその両者に挟まれた島々、ということになります。
緑色の部分は、地震がほとんど起こったことのない地域となります。
それは、スマトラ島西部、カリマンタン島(ボルネオ島)全般とスラウェシ島の南部です。ジャワ島の北側にも若干そうした場所が見られます。
地震がほとんど起こったことがないカリマンタン島は、東西に長いインドネシアの国土のほぼ中央に位置しています。そこで、そのカリマンタン島にインドネシアの首都をジャカルタから移転計画が起きるのも、地震が少ない事が大きく関係しています。
最初にそれを本気で考えたのは、1950年代のスカルノ初代大統領の時代でした。その候補となったのは、現在の中カリマンタン州の州都であるパランカラヤという町です。
現在は、東カリマンタンのクタイカルタネガラ県と北プナジャムパスル県の両県にかかる地域(バリクパパン、サマリンダの中間)に移転計画をすすめています。
東京首都圏やジャカルタ首都圏のような3000万人以上住むメガシティでひとたび、大地震が起きると、とてつもない大きな被害がでる事が予想されています。
日本でも首都直下地震は今後30年以内に70%の確率で起きると予想されています。
東日本大震災からちょうど10年。再度防災意識を高めて、備える事も大事ですね。