インドネシアで感じる日本との「スタンダード」という感覚の差はなにから生まれるのか。
その感覚の中に潜む罠についてお伝えします。
今ではインドネシアでも日本で馴染みのある食品やお菓子などを食べることができます。
ただ、実はそういった食品やお菓子は日本で販売されているものと成分が異なり、味も若干ではあるものの異なります。
食品やお菓子は、小売店へ届けるまでに、冷蔵車での配達が行き届いていないためにインドネシアの温暖な気候で溶けてしまったり、きちんとパッケージされたまま届かなかったりと、日本と同じままでは保存や管理に問題が生じてしまうのです。
また、宗教的に使用してはいけない成分を除いて販売しています。インドネシアでは、豚や豚由来の成分、アルコールは基本的には使用できません。日本では、多くの商品に豚由来成分やアルコール成分が含まれた食品が多く、輸出する際には注意が必要です。
もちろんそのような状況があるとわかれば、その環境に合わせてカスタマイズすることは当たり前のことかもしれません。
重要なことはインドネシアのような環境のほうがグローバル(世界の国々)においては一般的であるということです。
つまり、日本におけるスタンダードと、グローバル(世界の国々)におけるスタンダードにはズレがあることを認識する必要があります。
そのズレの大きな理由に、日本という特殊な環境があります。
日本では、物流業者による丁寧な品物の取り扱いや正確な配送時間、適切な温度管理は、当たり前のサービスのように考えられています。
食べ物に関しては、いつでも新鮮な商品がいつでも買えて、お腹を壊すことはほとんどありません。
インドネシアでは、賞味期限を良くみないと、いつのまにか賞味期限が切れていたり、新鮮な魚などは、ほとんど食べられません。お腹を壊すことはしょっちゅうです。
私たちは日本での生活を当たり前の常識(スタンダード)だと思っているために、自分たちが特殊な環境にいると思うことは難しいでしょう。
日本の常識を前提として海外進出できると考えてしまうと、そこに大きなズレがでてきてしまいます。
日本国内で展開する上では問題にならないことが、いざ海外に持っていくとたくさんの課題となって海外事業の成功を妨げる要因になるのです。
まさに日本にいるからこそ気づけない、日本という特殊な環境の中に潜む罠です。
どうすれば事前にこういった問題や罠に気づけるようになるのでしょうか。
確実なのは、出来る限り海外に視察や調査に行き、罠に気づける感覚を養うことだと思います。ただ、現実問題として頻繁に海外に行くのが難しい現実もあるでしょう。
そういった際は、海外経験者の感覚を持っている人から「素直」に話を聞くことをおすすめします。
「素直」と書いたのはどうしても日本での常識・経験に当てはめてしまうと信じられないような話もあるからです。まさかと思うような話でも一旦は受け入れる事が必要です。
グローバルスタンダードで考えたときに罠になりうることを体験している人々であれば、事前に想定される罠に気づくことができます。
また、その課題に対して対処することができれば、新たなビジネスチャンスにもつながるでしょう。