現在、世界第4位の人口大国であるインドネシアは、2023年には約2億7300万人の人口を有し、その数は少なくとも2050年まで増加を続けると予測されています。インドネシア中央統計庁(BPS)によると、2032年には人口3億人を突破する見込みです。
インドネシアの人口ピラミッドは、多産多死の富士山型から、高齢者人口の割合が少ないつりがね型へ移行しています。しかし、若者の割合が依然として高く、2023年の平均年齢は29.9歳です。一方で、平均年齢はわずかに上昇しており、医療環境の改善による高齢者人口の増加が一因となっています。
一方、日本は人口減少に直面しており、2022年の総人口は約1億2500万人で、前年比で64万4千人の減少を見せています。この人口動態の違いは、両国の経済と社会における将来像に大きな影響を与えます。日本は高齢化社会を迎え、若年層の割合が低下しています。この違いは、労働力の豊富さ、消費の活性化、社会インフラの整備といった面でインドネシアに有利な条件をもたらしています。
「GOLD INDONESIA 2045」は、人口ボーナス期を最大限活用し、十分な雇用創出と質の向上、社会インフラの向上を目指す政府のビジョンです。2045年は、インドネシア独立宣言から100年という節目の年です。このビジョンの4本柱は以下の通りです。
若者が多く活気にあふれているインドネシアですが、人口に雇用が追いつかず若者の失業が深刻化するなど、急激な人口増は弊害も引き起こしています。「GOLD INDONESIA 2045」は、人口ボーナス期を最大限活用することで教育レベルの向上、科学技術の発展、持続可能な経済成長を目指しています。
インドネシア政府は、生産年齢人口が高齢者と子供を上回っているこの期間を活用して経済成長を促進し、労働者の質や能力の向上に注力しています。創造性と熱意に満ちた若者たち若が経済、教育、社会、政治の各分野で重要な役割を果たすことを期待しています。この影響で社会に前向きな変化をもたらすことができそうです。人口ボーナス期は2040年ごろまで続くだろうと予測されており、政府は経済成長とともに労働者の質や能力をいかに向上させるかを重視しています。
一方、日本は縮小する国内市場での、労働力不足と社会保障の負担増大に直面しており、異なる社会経済的課題を抱えています。日本は既に高度な技術力を有しており、技術革新やグローバル競争力の維持に焦点を当てています。
インドネシアは、人口増加とその特有の人口構造を活かして、経済発展と社会進歩を目指しています。GOLD INDONESIA 2045は、国を先進的で主権のある持続可能な国に変えるための道筋を示しており、世界レベルでの影響力を通じて若い世代の役割を最適化することを目指しています。
これに対し、日本は既存の技術力を活かし、高齢化社会に適応するための革新を迫られています。両国は異なる人口動態と社会構造に基づいて、それぞれの将来像を描いていることが分かります。