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ホーチミン初の地下鉄1号線を無料体験! 快適&時短で街歩きがぐっと充実に

ホーチミンに革命を起こす新交通「HCMC Metro」開業

2024年12月22日、ベトナム最大の商業都市ホーチミンで待望の地下鉄1号線(HCMC Metro)が開業しました。17年以上にわたる計画と、12年に及ぶ工事がようやく実を結んだ形です。人口約900万人を抱え、終日渋滞に悩まされてきたホーチミン。これまで自動車やバイクが行き交う喧騒の街で、公共交通機関の選択肢はバスに限られていましたが、初の都市鉄道が加わったことで交通事情に大きな変化が見込まれています。しかも開業から1カ月間は運賃が無料! これは乗らない手はありませんよね。さっそくこのメトロ1号線に乗って、ホーチミンの主要観光スポットを巡ってみることにしました。

ベンタインからスオイティエンまでを結ぶ大動脈

19.7kmの路線と14の駅が誕生

1号線は、ホーチミン市の中心部にあるベンタイン駅(Bến Thành)から郊外のスオイティエン駅(Suối Tiên)までを結ぶ全長19.7kmの路線です。

総駅数は14駅で、そのうち3駅が地下駅(ベンタイン、ホーチミン市民劇場、バソン)、残りの11駅は高架駅として設置。列車は高架区間で最高時速110km、地下区間で最高時速80kmのスピードを誇り、移動時間が大幅に短縮される設計になっています。

当面の運行スケジュールと無料期間

開業当初は午前5時から午後10時まで、ピーク時は8分間隔・オフピーク時は12分間隔で運行される予定です。そして開業から30日間は誰でも無料で利用できる特典が。31日目以降は距離に応じて7,000ドン(約43円)から20,000ドン(約123円)となり、高齢者や体の不自由な方は無料、学生や電子決済アプリを利用する旅行者には割引が適用される仕組みです。駅と接続する電動バスも1カ月間無料とのことで、まさに今がチャンスとばかりに多くの人が乗車に訪れています。

ベンタイン駅・オペラハウス駅・バソン駅を中心に乗り比べ

ベンタイン駅(Bến Thành)

ホーチミンメトロ1号線の象徴ともいえる始発駅がベンタイン駅。市内交通のハブとして、今後予定されている他路線との乗り継ぎポイントにもなる重要な拠点です。駅舎は大きなドーム型の天窓があり、自然光が差し込む開放的な空間が特徴。

ホーム周辺には案内サインがわかりやすく設置されていて、英語・ベトナム語ともに表記されているため、旅行者でも混乱することなく利用できます。

近隣スポット:地元の台所とも呼ばれるベンタイン市場、ナイトマーケットで有名なブイビエン通りなどが徒歩圏内。観光客だけでなく地元民も多く利用するエリアなので、屋台やおみやげ店が充実しています。

ホーチミン市民劇場駅(Nhà hát Thành Phố)

2つ目の地下駅は、ホーチミンの代表的建築のひとつである**市民劇場(オペラハウス)**に隣接。駅構内は洗練されたデザインで、ホームへ向かうエスカレーターや階段の幅も広く、乗客が多い時間帯でも比較的スムーズに移動できそうです。

周辺エリア:高級ホテルやブランドショップが軒を連ねるドンコイ通りや、フランス統治時代の面影が残る建造物が集まるエリア。西洋風のカフェやレストランも多く、散策するだけでも優雅な気分に浸れます。

バソン駅(Ba Son)

3つ目の地下駅バソンは、ちょうど高架区間へ移行する手前の駅。日本人街として知られるレタントン通りにも比較的近く、観光や仕事で日本人が多く行き来するエリアとの相性が良いのがポイントです。徒歩ならベンタイン駅から30~40分かかるような距離でも、メトロを使えばわずか4分ほどで移動できるため、時間を有効に使いたい出張者や旅行者には大助かり。さらにバソン駅周辺は川沿いの景観が美しく、今後再開発が進めば新たな人気スポットになる可能性も感じました。

実際に乗ってみた! 新車両の快適性、混雑具合と車両の設備

駅に行く前に案内された専用アプリをインストールすると、無料期間中はQRコードをかざして改札を通過できるとのこと。クレジットカードやスマホ決済に慣れている人なら、手順も簡単でストレスフリー。

今後はマスターカードによるタッチ決済にも対応するらしく、さらに利便性がアップしそうです。

開業間もない年始に、駅には「初乗り体験」を目的に列を作る人々の姿が目立ちました。

長蛇の列ができている割に、ピーク時8分間隔の運行なので待ち時間はそこまで苦になりません。駅員さんや警備員さんが誘導に当たっており、混雑しやすい改札や階段でも大きな混乱なく列車に乗り込めます。車内は日立製作所製の3両編成で、新車ならではの清潔感と落ち着いた内装が印象的でした。

また、各駅を中心に電動バスが走っており、こちらも開業キャンペーン中は無料で利用可能。乗り継ぎ割引なども検討されているようで、将来的にはメトロとバスの一体的な公共交通網が完成するのではないかと期待が高まります。

街の交通事情はどう変わる? 渋滞緩和と今後の展望

渋滞対策への期待

ホーチミン市は、通勤・通学時間帯に道路がバイクや車で埋め尽くされる大渋滞が悩みのタネ。そのため、政府は8路線の地下鉄整備を計画し、この1号線が大きな第一歩になると見込んでいます。市内の主要エリアを結ぶメトロ網が完成すれば、車やバイクに頼らない移動が可能となり、慢性的な交通渋滞や大気汚染問題の改善が期待されています。

日本と中国の支援競争の背景

1号線は日本の技術協力や資金支援を受けて建設された一方、首都ハノイに先行して開業した地下鉄は中国の支援を受けたもの。ベトナムにおける交通インフラ開発は、アジアでの影響力拡大を狙う日本と中国の熾烈な競争舞台とも言われています。さらに、ハノイとホーチミンを結ぶ高速鉄道計画も浮上しており、どちらの国がどのように関わっていくのか、引き続き国際的にも注目を集めるトピックです。

新しいホーチミン旅を楽しもう

長らく待ち望まれたホーチミン市地下鉄1号線は、開業当初から多くの乗客で賑わい、街に活気をもたらしています。今なら1カ月間の無料運行期間が設定されており、旅の予算を節約したい旅行者にとっては絶好のタイミング。なにより、バイクだらけの道路を横目に、スムーズに移動できる安心感は格別です。観光名所がぎゅっと集まる1区を中心に、目的地まであっという間に到着できる便利さは、一度体験すると手放せなくなるかもしれません。ホーチミンの街歩きがますます快適になりました。

kenji kuzunuki

葛貫ケンジ@インドネシアの海で闘う社長🇮🇩 Kenndo Fisheries 代表🏢 インドネシア全国の魅力を発信🎥 タコなどの水産会社を経営中25年間サラリーマン人生から、インドネシアで起業してインドネシアライフを満喫しています。 インドネシア情報だけでなく、営業部門に長年いましたので、営業についてや、今プログラミングを勉強中ですので、皆さんのお役にたつ情報をお伝えします。