インドネシアは、中国が受注したジャカルタとバンドンを結ぶ高速鉄道に日本も協力して事業を推進していきたい意向を示しました。
この高速鉄道は、日本と中国で受注を争った末、中国が請け負うことが決定していましたが、完成予定が何度も延期の状態が続いていた時に、コロナが追い打ちをかけてしまいました。
列車速度は200km/hから250km/h、総延長142.3キロメートル。3~5時間かかっていたジャカルタ – バンドン間の時間を約35分で結ぶ計画です。
ジャカルタハリム、西ジャワ州ワン、ワリニ、テガルルアルの4駅に停車予定。
開通すると一日の乗客数は平均で44,000人と予想され、乗客数はさらに増加すると予想されています。
インドネシア政府は、高速鉄道の建設工期が2022年9月まで延長される見通しも明らかにしました。
当初は2019年完成予定で、その後目標を21年に変更したが、再度後ろ倒しになった形です。
土地収用の難航や新型コロナウイルス流行の影響で建設工事が止まっていることなどが理由として挙がっています。
中国主体の建設計画は工期遅延のため、インドネシア政府は日本が中国と同じコンソーシアムを組んでインドネシアの鉄道計画に共同で当たるよう希望することが明らかになったかたちです。
ジョコウィ大統領の意向として、「ジャカルタ・バンドン間の高速鉄道をスラバヤまで延伸することを計画している」と明らかにし、日本に協力を求めることを表明しました。
インドネシアはジャカルタとバンドンを結ぶ高速鉄道と、日本が現在進めているジャカルタとスラバヤを結ぶ既存鉄道の準高速鉄道を一体化させる考えです。
準高速鉄道計画は、日本とインドネシアが2019年9月に合意しており、現在は国際協力機構(JICA)が現地調査を行っている状況です。
在ジャカルタ日本大使館によると、日本側にはインドネシアから高速鉄道延伸についての提案や要請はないという。
ジャカルタ・スラバヤ準高速鉄道計画で想定されている線路幅が狭いことから、幅が広い高速鉄道との一体化は技術的に困難との見方が既に出ている状況です。
また、コロナウイルスの大流行で 予算不足となったため、高速鉄道プロジェクトの完成がさらに1年延期された状態で日本が参加協力できるのか、今後の話し合いに注目されます。
もともと、日本が新幹線をインドネシアに円借款で建設する話でほぼ決まりかけていた話を、中国はインドネシアの国家予算を使わない条件を出して決定した経緯があります。
日本はジャカルタ・バンドン高速鉄道をあきらめて、その代わりにジャカルタ・スラバヤ準高速鉄道プロジェクトに参加しているので、今更一体化構想を言い出した、インドネシア政府に困惑している状態です。
インドネシアジャワ島内の移動は、飛行機がメインとなっています。ジャカルタ・スラバヤ間は飛行機に乗れば1時間あまりですが、中心街からスカルノハッタ空港の渋滞移動を考えると、スラバヤ市内までは3時間以上かかってしまいます。
将来、日本の新幹線のような鉄道が走れば、ジャカルタ・スラバヤ間が3時間を切るなど想像してしまい、ワクワクします。
途中のチレボンや、スマランなど、主要都市も行きやすくなりますので、ビジネスに観光に良い影響与える可能性大きいです。
2050年までインドネシアの人口は増加し続けますし、移動手段として鉄道インフラの整備は必要です。
しかしコロナの影響もあり、インドネシア経済成長も来年までは厳しい状況が続きますので、資金面を含め計画通りには進まないでしょう。
インドネシアで夢の新幹線に乗れるのはいつになるか、気長に待ちたいと思います。