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インドネシアで広がる日本風ファストフードHOKBENの魅力!

インドネシアに数多くある日本食レストランの中でも、1980年代から着実に知名度を上げ、今やインドネシア国内を代表する日本風ファストフードチェーンとして愛されている「HOKBEN」。かつてインドネシアでは、日本食レストラン自体がとても珍しかった時代があったそうですが、今ではさまざまな日本料理店が軒を連ねています。とはいえ、マカッサルのような地方都市ではまだ選択肢が限られていることも事実。店内の雰囲気やメニュー、HOKBENの歴史などをご紹介します。

HOKBENとは?

HOKBENは、もともと「Hoka Hoka Bento(ホカホカ弁当)」という名前で1985年4月18日に誕生したインドネシア発祥の日本風ファストフードチェーンです。創業当時は、ジャカルタのクボン・カチャン(Kebon Kacang)に1号店がオープンし、店名の由来でもある「ほかほか弁当」という日本語は「温かいお弁当」を意味しています。ただ、インドネシアで暮らす人にとっては「ほかほか」という表現自体があまり馴染みのない言葉だったためか、ブランド名は徐々に「HOKBEN」という略称で親しまれるようになりました。設立者はPT. Eka Bogainti社のヘンドラ(Hendra Arifin)氏で、「日本式のファストフードレストラン」に興味を抱いたことがきっかけで創業に至ったそうです。意外にも日本資本は入っておらず、マネジメントはすべてインドネシア人が行っています。創業当初は日本との提携もあったそうですが、その後はライセンスやブランド、技術支援などを取得して独立運営を続け、現在ではHOKBENブランドの著作権を完全に所有しています。名称やロゴに登場する“タロー”と“ハナコ”など、日本由来のイメージが随所に散りばめられていますが、実際の経営はすべてインドネシア側によって行われているのです。

こうした背景を知ると、HOKBENが単なる“日本料理の海外チェーン”ではないことがよくわかります。インドネシア人の嗜好や文化を理解しつつ、日本の“ほかほか弁当”という言葉のイメージも大切にしてきたからこそ、ここまで大きく成長できたのだと感じました。当時のインドネシアには、日本風のファストフードというコンセプトがほとんど存在していませんでした。ビーフやチキンを使った照り焼きや焼き肉など、現地でも親しみやすいメニューを取り入れることで、多くの人々に受け入れられるようになったのです。店内で食事ができるスペースを用意したのも画期的だったようで、今では家族連れや若者など幅広い層に支持されています。

マカッサル店に行ってきました!

今回訪れたのは、マカッサルにある「HOKBEN パナックカン店」。モール内に入ってロッテマートの向かいある、鮮やかなオレンジと黄色を基調とした看板と、タローとハナコという2人のマスコットキャラクターが出迎えてくれます。彼らの笑顔を見ると、一気に「日本風ファミリーレストラン」らしいポップな雰囲気を感じられました。ジャワ島、バリ島、スマトラ島を中心に350店舗以上に拡大、インドネシアの77都市に進出しています。その勢いはまさに“ローカル発”とは思えないほどで、国民的な人気チェーンへと成長を遂げたと言えるでしょう。

店内は広々としており、ファストフードというよりはカジュアルレストランに近い印象です。入り口付近には写真付きのメニューが大きく掲示されていて、注文の際にもイメージしやすいよう工夫されています。スタッフの皆さんの対応はテキパキとしていて、とても気持ちの良い接客でした。

気になるメニューをチェック

HOKBENの魅力は、なんと言っても“日本風”を意識しながらも、インドネシアの人々が食べやすい味にアレンジされているメニューにあります。ビーフ焼き肉やチキン照り焼き、カツ丼のような定食スタイルだけでなく、ラーメンや揚げ物などのサイドメニュー、さらにはスープやデザートまで豊富に揃っています。初めて訪れたときは、どれを頼もうか迷ってしまうほど選択肢が多いのも特徴です。中でも定番の人気メニューとしては、ビーフ焼き肉やチキンカツ、サラダ、ごはん、スープ、お茶がセットになったプレミアムセットが挙げられます。価格はRp.65,500ほどと、ファストフードとしてはやや高めに感じるかもしれませんが、ボリュームや味を考えるとコスパは悪くありません。

さらに、牛肉と野菜を甘めのダシで煮込んだすき焼きなど、日本食好きにはお馴染みの料理もラインナップされていて、幅広い嗜好に応えてくれます。

“ほかほか”な幸せ

今回、マカッサルのHOKBENを訪れてみて感じたのは、日本の雰囲気を上手に取り入れながらも、しっかりとインドネシアの食文化や嗜好にマッチさせているという点です。ビーフ焼き肉やチキン照り焼きのような甘辛い味付けは、たとえ日本食をあまり食べたことがない人でも抵抗なく受け入れられるはず。店内は明るく開放的で、友人同士や家族と一緒にゆっくり食事を楽しむにはぴったりの場所でした。

マカッサルはジャカルタなどに比べると日本食の選択肢がまだまだ少ないのですが、HOKBENの進出によって気軽に日本風の味を楽しめる場所が増えたのは嬉しいことです。

インドネシア発の日本風ファストフードチェーンが生み出す“ほかほか”な幸せを、ぜひご自身の舌で味わってみてはいかがでしょうか。

kenji kuzunuki

葛貫ケンジ@インドネシアの海で闘う社長🇮🇩 Kenndo Fisheries 代表🏢 インドネシア全国の魅力を発信🎥 タコなどの水産会社を経営中25年間サラリーマン人生から、インドネシアで起業してインドネシアライフを満喫しています。 インドネシア情報だけでなく、営業部門に長年いましたので、営業についてや、今プログラミングを勉強中ですので、皆さんのお役にたつ情報をお伝えします。