イスラム教徒が1カ月間、食を断つ「ラマダン」が始まりました。ラマダン中は、太陽が出ている間は一切の飲食をしないことが知られていますが、日没後、はじめてとる食事を「イフタール」、夜明け前の食事は「サフール」と呼びます。本日は、ラマダン中の食事についてお話します。
日没後のアザーン(イスラム教の礼拝への呼び掛け)は1日の断食を終える合図となります。街角やモスクや職場で無料の食事が振る舞われ、みんなで「イフタール」を楽しむことが習慣となっています。
ラマダンの日没後の初めの食事を「イフタール(Iftar)」と呼び、家族や友人と普段よりも豪華な食事で食卓を囲みます。夜明け前の食事は「サフール(Suhur)」と呼びます。
イフタールは、まず渇いた喉を一杯の水で潤します。そして、栄養価に優れたナツメヤシ(デーツ)を食べるそうです。預言者ムハンマドは「神が与えた食物」と言われたデーツをまず3つ食べたそうです。その後、甘い果物やお菓子で胃を慣らした後に、メインの食事となります。普段、1日3回の食事をするので空腹を感じませんが、断食のあとは、味わうことそのものに感謝をし、食へのありがたさを再認識させてくれるそうです。
現在は、インドネシアも段々豊かになってきているので、本来の意味から少しかけ離れて、イフタールで豪華なご馳走を食べる事を楽しむ人も多くなっています。
断食は、食べなかった食事の分を喜捨(寄付)する意味もあります。
世界には食べるものがなくて辛い思いをしている人がたくさんので、困っている人を助けようとする気持ちが生まれるそうです。
断食中は、ダイエットに有効かと思いきや、なかなかうまく体重をコントロールできないようです。お腹が空いているので、まず甘い物を食べ、その後ちゃんとした夜ご飯を食べます。夜中にまた、甘いお菓子を食べた後にすぐ寝て、夜明け前2時半頃の朝ごはん「サフール」を食べるので、夜中ずっとお腹いっぱいの状態が続きます。
結局ラマダン中は、トータルカロリーは普段よりも多く摂取してしまうようで、これではダイエットにはならないようです。インドネシアではこの時期に「ラマダン太り」がお決まりの話題になっているそうです。
ラマダンの目的は、ダイエットではなく信仰心を深めるためであるので、ダイエット感覚で断食すると、返って太ってしまうかもしれません。