インドネシア人は、日本人を好んでくれることが多いため、ビジネス的にもやりやすい場所です。
インドネシア人は日本人と少し似た雰囲気もあり、奥ゆかしく穏やかです。挨拶してにっこりするだけですぐに仲良くなれます。
ただし、そんなインドネシアでもいくつかの難しい部分があることを知っておく必要があります。
近年では、経済発展も著しく、高層ビルや高級ショッピングモールなどが次々と建てられています。
このような発展とは裏腹に、スラム街がひしめく貧富の差があり格差が広がっていることも忘れてはなりません。
現在インドネシアでは、所得の中間層が増えてきており、GDPも5%前後で成長を続けています。
首都ジャカルタの物価も上昇が続いており、インドネシアにあるその他の都市と比べると、2~3倍近くの物価差があります。
そのため、少しでも多くのお金を稼ぐために、インドネシアの地方に住んでいる人達は、ジャカルタなどの都市部へと出稼ぎすることが多くなっています。
インドネシアでは、渋滞が非常に大きな問題です。
ジャカルタ首都圏の人口は約3000万人以上です。都市への人口集中に対しインフラが追いついていないことが問題となっています。
公共機関が不足しているため、移動の中心が車での移動となり、車の増加に比べ、道路インフラが整っておらず、いつも渋滞しています。
インドネシアには700以上の言語があり、公用語はインドネシア語です。
外国人が多く訪れる場所では、英語や日本語を非常に流暢に話せる人もいます。
しかし、一般的な場所では、ほとんど外国語は通じないと考えておいたほうがいいです。
現地視察や買い付けなどを考えている方は、この部分を想定しておきましょう。
ビジネスインドネシアと日本の大きな違いの一つは宗教です。
インドネシアは90%近くがイスラム教(ムスリム)です。宗教は生活と大きな関わりがあり、ビジネスにも大きな影響があります。
また、国をあげての大きな祝祭日などがあります。日本でも祝祭日によって売れる商品や需要や供給のタイミングは大きく変わります。
インドネシアは、ここにムスリムの習慣や祝祭日が大きな影響を与えます。場所によって多少の信心深さの違いはあるものの、インドネシア人はムスリムの信条を大切にしていますので、それらの大多数の人の習慣を学び、踏まえた上で行動しなければ、現地でのビジネスの成功は難しいです。
ポイント:ムスリムの信条、思考を理解ししてビジネスに反映させる。
役所での手続きが複雑で、誰に聞いてもなかなか正解にたどり着けないです。
制度がしょっちゅう変わりますので、以前はこうだったが今はこうだ!とすぐに変化します。
独特の手続があるため、インドネシア人でないとできない事も多くあります。
なぜか、政府の役人と仲良くなると簡単に物事が進んだりすることもあります。
まだまだ地方では、アンダーテーブルの世界が存在します。
インドネシア人を雇用する場合、仕事に対する考え方、時間の考え方も違うため注意が必要です。契約時にきちんと説明し、採用後もフォローする必要があります。
インドネシア人は、「ゴムの時間」と呼ばれるほどのんびりしており、30分遅れるのは当たり前で、中には雨で濡れたから今日は休むといって帰る人もいるようです。
また、時間にルーズですが終業時間にはきちんと帰ります。
働き方改革などで見直されつつあるとはいえ、日本は時間に厳しいところがあります。
インドネシア人を日本の企業で採用する際は、時間の感覚をお互いに理解しておく必要があります。
日本人にとっては、仕事の結果(評価)や勤めた期間で給与が上がるという考えが一般的です。
しかし、インドネシア人は逆の考え方をしていて、給与に応じた仕事だけをこなします。給与の減額は有り得ないし、アップが基本だと考えている人が多いです。
また、同じ仕事で給与に差があることが分かると感情的になり、突然退職してしまうこともあります。
トラブルにならないためにも、これらのインドネシア人の給与に対する姿勢を理解しておきましょう。
インドネシア人は転職をよくします。
日本人は一つの会社にずっといるという人も珍しくありませんが、インドネシアでは逆で転職をたくさんしている方が優秀と評価されます。
これらの諸問題があるためか、人口や所得が爆発的に増加しているインドネシアなのに、意外と進出している企業が少ないように感じます。
だからこそ、これらの難しい部分を一つずつクリアしていけば、そこには大きなチャンスがあります。
インドネシア人は社交的でバイリンガルの人が多く、語学力を活かした仕事や人と接する仕事にとても向いています。
今後インドネシア人を採用する企業はさらに増えると考えられるので、インドネシアの歴史・文化、習慣をきちんと理解しておきましょう。