インドネシア統計局が発表した、2020年第4四半期国内総生産(GDP)は前年比2.19%減となり、大きく落ち込みました。通年でも統計開始以来のマイナス成長でした。新型コロナウイルス感染拡大がインドネシア経済にも大打撃となりました。
インドネシア経済は昨年までブラス5%の成長が続きましたが、2020年に入ると新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を背景に景気が減速しました。特に、大規模社会制限(PSBB)や外国人の往来制限等の影響を受けて、観光産業や運輸産業などが引き続き深刻な状態が続いています。
2021年に入っても、インドネシア国内では新規感染者の増加が続いており、1日あたり1万人を上回るペースで未だ感染拡大には歯止めがかからない状態です。政府は昨年末から、国内の移動制限を年明け意向も継続しており、現在もオフィスの出社や公共交通機関の運行、商業施設の営業時間の制限等、人の移動が大幅に減少しています。
また、変異種発生への対応で、引き続き外国人の入国を一時停止していますので、観光業の回復は期待できない状況です。2021年1~3月期も4期連続でマイナス成長になる恐れが強まっっています。
景気回復を望むためには、追加的な金融緩和を実施するとの憶測がでています。インドネシア中央銀行のインフレ目標(3±1%)を下回って推移しています。また、通貨ルピアの対ドル相場が安定している状態です。追加利下げとワクチン普及によって、景気回復の後押しとなって、2021年度の政府が掲げたGDP成長目標であるプラス5%に近づくか、状況推移を見守りたいと思います。