【インドネシア人の働き方】仕事に対する考え方の違いを理解しよう
日本人がインドネシア人と一緒に働くと、色々な違った面に遭遇します。仕事に対する考え方や、そもそもの働き方が違います。
インドネシア人の仕事は、生きるためにすること。働くために生きるという考え方はあまりありません。基本は給料や働きやすさを重視しているのも特徴です。
仕事に対しての執着はあまりなく、会社の上司の対応が悪ければすぐ辞めてしまいます。
そんな、インドネシア人と仕事で付き合うために注意すること、理解すべきことをまとめます。
残業はしない
日本でも「ブラック企業」「サービス残業」という言葉に敏感な時代がやってきていますが、国際的にみても日本人は労働意欲が高い国民性であることは知られています。 一方、インドネシアでは雇用契約書に書かれた範囲の仕事をするという意識が強いといえるでしょう。
労働時間以外で自発的に働き、さらには無給で残業をする社員はほとんどいないといっても過言ではありません。
仕事をその日で終わらせるという感覚はなく、締切等の期限も厳しくはありません。基本、今日までや明日までに終わらせて報告してということは、ほとんど守られないことの方が多いです。
インドネシア人の基本的な考え方は、仕事は就業時間内に終了して、その後の時間は家族や友人と過ごす時間とされています。
また、日本では、就業後も酒の席で接待など多くありますが、インドネシアではイスラムは飲酒がないので、そもそも酒の席のような付き合いもありません。
「仕事」と「プライベート」が混合している
しっかりと時間を守ることで知られる日本人とは違い、インドネシア人は時間に対してルーズな方が多いと聞いたことがあるかもしれません。
渋滞が頻繁に起こっているため、物理的に時間通りに進まないことも多いのでやむを得ないことも多いのですが、やはり、日本と比較してしまうと全体的に時間にルーズな国民性なのかなと感じます。
遅刻やサボり、おしゃべり、勤務時間中に私用(買い物など)などは日常茶飯事です。
殺伐とした雰囲気のオフィスはどこを見渡しても見当たりません。
インドネシア人はプライベートと仕事をうまく切り離すことができていない人が多いのではないかと感じます。
インドネシア人にとって一番大事なのは、家族です。日本でも家族は大事と言いながら、仕事が急に入ると、仕事を優先に考えますが、インドネシア人にはそのような考えはありません。
インドネシア人は、プライベートで問題が発生すると、それを職場に持ち込んでしまい、仕事に集中できず仕事のパフォーマンス低下を引き起こし、他の従業員にとっても居心地の悪い職場環境になってしまうことも多いようです。
宗教を大事にする
インドネシア人にとって、宗教は生活の一部になっていて、優先順位は家族の次に来ます。
生きるうえで宗教を非常に大事にしています。
仕事中でもお祈りは必ず行くし、宗教行事はお休みとなります。日本人には100%理解できませんが、宗教を理解しようとする姿勢は大事です。
転職は当たり前
インドネシアで「Kutu Loncat(クトゥ・ロンチャット)」という言葉があります。「Kutu Loncat(クトゥ・ロンチャット)」とは、虫の一種である「ノミ」を表すインドネシア語です。この言葉には「職場を転々とする者」という別の意味もあり、インドネシアの労働文化に根付いている言葉でもあります。
すなわち、インドネシアは転職が多い国なのです。
インドネシア人の「会社」に対する帰属意識が影響しています。
日本人はやりがいや自分自信の成長を求め、会社としても社員にそのような意識を持つことを期待していますが、インドネシアでは、会社というより直属の上司に対しての帰属意識が強く、会社に帰属するという概念が薄いようです。
また、我慢する前に転職してキャリアップするほうが得策だと考える方が多いという点も転職率が高い理由に挙げられます。
そのため、インドネシアの方を職場に引き留めるには、常に新しい刺激を与え続け、日ごろからよくコミュニケーションを図り、家族的な帰属意識を持たせる事が大事になってくるかと思います。
【まとめ】インドネシアの国民性として割り切る
日本でも最近は「終身雇用制の崩壊」や、「複数回の転職」などといった言葉を目にする機会も珍しくなくなってきましたが、一般的にまだ日本は企業への忠誠心が高い国であるといえます。
全てのインドネシア人が早期離職するわけではありませんが、背景や考えを理解した上で、日ごろのコミュニケーション手法を考えるべきでしょう。
日本人がインドネシア人と働き始めると戸惑う部分かもしれませんが、これはインドネシアの国民性として割り切る部分だと思います。
インドネシア人の意識を矯正するのではなく、バックグラウンドを理解して相手を受け入れ、彼らにはストレスフリーで働いてもらうのが得策なのではないでしょうか。