日本での連日の過去最高の感染者数を見ていて今の日本は1ヶ月前のインドネシアの状況に近づきつつあります。今の日本の感染対策がインドネシアに比べても甘く、このままでは、とんでもない命が奪われてしまうと非常に危惧しています。
ジェトロが在インドネシア日系企業に対して、一時帰国についてのアンケートを実施したところ、回答企業の8割が一時帰国の決定もしくは、検討をしていることがわかりました。
6月下旬からデルタ株による感染拡大が悪化したままで、日本人駐在員の中でも感染が広がり、インドネシアでは十分な医療体制を受けられない懸念がでていました。7月中旬からは特別帰国便が数回運航されるなどで、一時帰国への動きが加速しています。
ジェトロが7月16日~23日に127社を対象にした一時帰国に関するアンケートを実施したところ、下記の結果となったようです。
参照:ジェトロ調査結果
決定または検討している企業は82.7%とほとんどの企業が一時帰国への対応をしていることがわかりました。
インドネシアでの感染が広がっていることへの不安や、インドネシア政府の行動制限規制へのいらだちもあると言います。規制による精神面や肉体面の疲労も溜まっているようです。
インドネシアへ再入国するには、ワクチンを2回接種しなければなりません。そのため、一時帰国が長期になる可能性もあり、一時帰国中に現地企業での突発的な事故や懸念材料等が生じた際の対応がおろそかになる懸念があります。
また、一時帰国すれば、日本での14日の隔離(インドネシアからの帰国は10日間の強制隔離)と、インドネシア到着時の8日間の強制隔離も加わりますので、動けない時間が長期に渡ってしまうことが現状です。
8月12日の感染者は、日本国内で、18,889人となりました。インドネシアの感染者は8月12日の発表を見ると24,709人と7月15日に56,757人を記録してから徐々に下がりつつあります。インドネシアと日本の人口を考えると、インドネシアよりもむしろ日本の方が感染者が多く、沖縄に至っては人口比で世界最悪の感染者数とまで言われています。
いまの日本の感染者数の増加を見ていると、インドネシアが感染爆発していた7月中旬の頃が、今まさに日本で起こっているようです。
実際インドネシアで6月から7月を経験した感じにすごく今の日本の状況に似ています。毎日感染者数が過去最高を記録と、いくらニュースで伝えても、危機感が全くなかったインドネシアの状況に、なにか今の日本の危機感の無さが重ねて見えます。
インドネシアでは、ワクチンを打てない状態で感染して重症化しても受け皿がないのではという生命の危険を感じながら生活をしていました。
インドネシアでは、7月に入り急に行動制限が強化され、レストランやショッピングモールが閉鎖され、在宅勤務が義務化、飛行機で国内移動にもワクチン接種とPCR検査が必要となったときには、移動の自由の制限をも奪われ、日本へ帰国もできないのではという不安でしたが、なんとか7月中旬に帰国することができました。
インドネシアの場合、強い行動制限のおかげもあってか、感染者が減少傾向にありますが、日本の場合は、緊急事態宣言と言っても飲食店での食事以外はほぼ不自由ないような生活ができます。普通に国内旅行も行けるし、飛行機もPCR検査なしで乗れます。
もちろん、インドネシアのような行動制限があるのは、みんな嫌だと思いますが、このままですと、もっと酷い事態が起きても不思議ではありません。
インドネシアの6月7月の現状を目の当たりにしてきた身から考えると、日本の感染対策はこのままではいけないと本当に思います。
ワクチンを打つまでは、自覚を持って他人に感染させないように自分自身に危機感を持って生活していく必要があると強く思います。