【インドネシアとの比較】日本の都市間移動が「すごい」と感じる理由!
海外に長く暮らしていると、日本へ一時帰国したときに「そうそう、これが日本だよね」と思わず感動してしまう瞬間がたくさんあります。その中でも毎回強く感じるのが、都市と都市の間を移動するときの便利さと快適さ。新幹線や特急列車、高速バスなど、多彩な交通手段が時間通りに、しかもスムーズに連携している光景は、世界的にも珍しいと言われています。
私が海外移住しているインドネシアでは、国内移動が日本ほどスムーズではありません。国内線の飛行機やフェリー、長距離バスなど、選択肢はあるにはあるのですが、思わぬ遅延やトラブルがつきもの。今回は、日本の都市間移動の素晴らしさを、インドネシアでの移動体験と比較しながらお話ししていきます。
新幹線や特急列車の正確さと本数の多さ
日本の都市間移動の代表格といえば、なんといっても新幹線。東京~大阪間の東海道新幹線なら、一日に何百本も運行され、しかも2~3分間隔で列車が発着するケースも珍しくありません。時間の正確さも驚異的で、遅延があったとしても数分程度。悪天候や自然災害がない限りは、ほぼ予定どおりに発着するのが当たり前になっています。

これに対してインドネシアでは、飛行機での国内移動が広く利用されていますが、遅延や欠航が非常に多いというのが現状です。インドネシアは島国であるため、都市間を結ぶ鉄道網はジャワ島やスマトラ島など一部に限られ、国土全体をカバーするには至っていません。地方都市へ行くには飛行機一択という場合も多いのですが、空港周辺の交通渋滞や航空会社の運行管理の問題などで、当日になって急にフライトがキャンセルされたり、何時間も遅れたりすることがよくあります。
新幹線はもちろん、在来線の特急列車なども日本各地を結んでいて、本数が充実しているため移動プランが立てやすいのも魅力です。急ぎの出張でも、早朝から深夜近くまで頻繁に列車が運行されているので、「この時間にしか移動できない」といった不便さを感じることがほとんどありません。インドネシアでは飛行機や長距離バスの出発本数が限られている路線も多く、計画が立てにくいという課題があります。たとえば国内旅行をする際は、1日1便しかないフライトに合わせて旅程を組まなければならず、予備日を数日確保しておかないと安心できない、というケースもあるほどです。
公共交通同士のスムーズな乗り継ぎ
日本の大都市の玄関口となる主要駅では、鉄道同士や鉄道とバスの乗り継ぎが驚くほどスムーズ。新幹線を降りてすぐ在来線や地下鉄に乗り換えることができ、乗り換えに迷っても駅構内にある案内表示や駅員さんが丁寧に教えてくれます。さらに、バスターミナルも隣接しているケースが多いので、大きな荷物を抱えていても移動の負担を感じることなく、次の目的地へスッと移動できるのです。
一方のインドネシアでは、空港やバスターミナル、鉄道駅が街の中心部から離れていることが多く、その間を移動するにはタクシーや配車サービス(Go-JekやGrabなど)を使うのが一般的です。ジャカルタ首都圏ではKRL(近郊電車)やMRT(地下鉄)、LRT(ライトレール)が運行しているものの、路線が限られているため、ターミナル駅から目的地までの移動がまだまだ不便なケースがあります。駅間の距離が離れているだけでなく、乗り継ぎポイントの案内も十分ではないため、初めて利用する人はどこで降りていいのか、どの出口に行けばいいのか分からず迷ってしまうことも珍しくありません。

また、インドネシアでは道路の渋滞が深刻な問題となっており、公共交通機関を乗り継ぐ際の時間が読みにくいという欠点もあります。日本のように駅やターミナルがコンパクトにまとまっており、徒歩圏でスムーズに移動できる構造は、実はとてもありがたい環境なのだと痛感します。
予約・チケット購入のしやすさ
日本では、新幹線や特急列車、高速バスをはじめとした長距離交通手段の多くがオンライン予約に対応しています。JRの公式サイトや旅行会社のサイト、専用アプリなどを使えば、乗車日や座席まで細かく指定してスピーディーに購入可能。また、コンビニの端末を使って支払いができるなど、チケット購入の選択肢が幅広いため、パソコンやスマホが苦手という方でも気軽に利用できる仕組みが整っています。
一方、インドネシアでもオンライン予約が徐々に普及しつつありますが、まだまだトラブルが起こりやすいのが現状です。予約システム自体が不安定で、突然サイトにアクセスできなくなったり、カード決済が上手くいかなかったりすることも珍しくありません。特に大型連休や祝祭日の時期は利用者が殺到するため、チケットを取るだけでも一苦労です。最悪の場合、飛行機の予約が取れていても座席がダブルブッキングされているというケースもあり、現地の窓口で長時間交渉せざるを得ないという話も聞きます。
さらに、インドネシアの長距離バスはオンライン予約ができない路線がまだまだ存在し、直接バスターミナルの窓口で購入する必要があります。窓口が混雑している上、英語対応がほとんど期待できない場合もあり、外国人旅行者にとってはハードルが高いのが実情です。こうした点を考えると、日本のオンライン予約や座席指定システムの便利さは、海外に住むと本当にありがたいと感じます。
交通機関や駅の清潔さ・快適さ
日本の新幹線や特急列車は、車内が清潔で設備が整っているだけでなく、乗車中のマナーも比較的良く保たれています。指定席なら座席が広々と使えますし、列車によっては電源コンセントやWi-Fiが完備されているところも多く、長距離移動でも退屈しません。駅構内のトイレや待合室も毎日こまめに清掃されていて、快適に使えるのが当たり前というのは世界的に見てもかなりレアなことです。
インドネシアでは鉄道やバスを利用する際、駅やバスターミナルのトイレ環境にびっくりすることがあります。利用者数に対して設備が追いついておらず、清潔に保たれていないケースも少なくありません。また、長距離バスでは車内の座席感覚が狭かったり、エアコンが効きすぎて極端に寒かったり、あるいはエアコン自体が壊れていて暑い思いをしたりと、快適とは言い難い状況をしばしば体験します。日本のように「どこに行っても基本的には清潔で快適」という環境は、外国人にとっては憧れの的になるのも頷けます。
多彩な交通手段の選択肢
日本国内を移動する際には、新幹線や在来線以外にも、高速バス、飛行機、LCC、フェリーなど多彩な交通手段があります。しかもそのほとんどが、スマホアプリやインターネットを通じて事前に時刻表を確認でき、正確な所要時間や料金を把握したうえで自分の予定に合わせて選ぶことが可能です。たとえば関西から関東へ行くとき、新幹線か飛行機か高速バスか、と予算と時間に応じて自由に選択できるのは本当に便利ですよね。
インドネシアの場合、ジャワ島のように人口が集中しているエリアは鉄道や高速道路の整備が進んでいますが、その他の島や地方都市は空港の整備やフェリーの就航状況が十分でないことが多く、事実上「飛行機一択」になってしまう場合も少なくありません。しかし、その飛行機も遅延リスクが高かったり、路線によっては週に数便しか運行していないなど、移動手段としての安定感にはまだ課題が残るのが現状です。バスや鉄道の充実した路線であっても、渋滞や車両トラブルで予定が大幅に狂う可能性があるため、計画的な移動が難しいという声をよく耳にします。
こうした状況と比較すると、整備された鉄道網を持ち、高速道路や地方空港も充実している日本は、やはり都市間移動の選択肢が豊富にあると言えます。旅先での緊急事態やスケジュール変更にも柔軟に対応できる点は、海外ではなかなか体験できない贅沢かもしれません。
おわりに
日本の都市間移動の魅力を、インドネシアでの移動体験と比較しながらご紹介しました。数分単位の正確さで運行される新幹線・特急列車や、駅構内の行き届いた清掃、オンライン予約のしやすさなど、一見当たり前のように思えることが、実は海外ではとても贅沢な環境だと再認識できます。
もちろん、インドネシアにも良いところはたくさんあります。笑顔あふれる現地の人々とのやりとりや、おいしいローカルフードとの出会いなど、移動の不便さを感じてもその分、新鮮で刺激的な体験ができるのも魅力の一つです。ただ、移動においてはまだまだ発展の余地があると感じる部分も大きいでしょう。
今後はインドネシアでも交通インフラがさらに整備され、日本のように正確で便利な移動が可能になる日が来るかもしれません。実際、ジャカルタ都市圏でMRTやLRTが運行を開始したり、高速道路が次々に建設されたりと、少しずつ変化が見られています。海外に行かれた際は、日本の「当たり前」が当たり前ではない現状を肌で感じてみると、新鮮な発見があるはずです。