ついに始まった新ITAS時代! インドネシアの自動化ゲートを体験してみた

Indonesia

ITASがデジタル化される時代へ

インドネシアで長期滞在者(就労者)が取得する「ITAS(一時滞在許可証)」。ITASが2024年秋頃から大きく様変わりし一部空港では自動化ゲートが使えるようになったとの情報で、ちょうど2025年初めからITASが新規更新となったタイミングであったので、「本当にそんな便利な時代がインドネシアで到来したのか?」と半信半疑のまま、今回バリ・ングラライ空港で初めて試してみました。私が常駐しているマカッサルでは、まだ自動化ゲートが導入されていないため、ジャカルタ(スカルノ・ハッタ空港)やバリ(ングラライ空港)で先行運用されているようです。新システム初体験のレポートを詳しくお伝えします。

ITASの申請がどう変わったのか

従来の面倒な手続き

かつてのITAS(Kitas)手続きは、ビザ発給や更新のたびに入国管理局へ行き、顔写真や指紋の採取、書類のやり取りなど、非常に時間と手間がかかっていました。さらに、パスポートにはQRコードのシールが貼られ、出入国の際に係員がそのコードを確認するという方式。場合によっては、管理局へ複数回足を運ぶ必要があり、ほかの国のデジタル化と比べて一歩も二歩も遅れている印象がありました。

2024年から新しくなったITASシステム

ところが、2024年に入ってからは状況が一変。パスポートに貼られるQRコードがなくなり、ビザ申請の際にも顔写真や指紋の採取を行わず、すべてシステム上で管理されるようになったという話。にわかに信じがたい「デジタル化」ですが、インドネシア政府が遂に最新技術を取り入れたのかもしれない…と思うと、ちょっとワクワクせざるを得ません。

バリ&ジャカルタで先行導入の自動化ゲート

88台+120台の圧巻スケール

インドネシアでは、ジャカルタ(スカルノ・ハッタ国際空港)とバリ(ングラライ国際空港)の2大空港が先行して自動化ゲートを導入。ジャカルタには88台、バリには120台ものゲートが稼働していると言われています。これだけの数が空港に並んでいる光景を想像すると、一気に近未来感が高まります。

ホーチミンからのフライトでバリに到着した私は、まさにこれらの自動化ゲートを使って新ITASで入国できるのではないかと期待に胸を膨らませました。ジャカルタかバリでしか体験できないのが残念ですが、まずは最先端の地で実験してみる価値大です。インドネシアは島嶼国家で主要な玄関口が複数ありますが、マカッサルをはじめ地方空港での自動化ゲート導入は現時点では予定が立っていないようです。おそらく、ジャカルタやバリで運用実績を積み、トラブルが少なくなったら少しずつ全国へ拡大していくのではないでしょうか。ITAS保持者にとっては、「どの空港なら自動化ゲートが使えるか」が今後の渡航計画に影響するポイントになりそうです。

初めての自動化ゲート体験に挑戦

バリ・ングラライ空港に到着すると、訪問観光客向けのVOA(Visa on Arrival)の列がいつも通り長蛇の列を作っていました。ITAS保持者はその列に並ぶ必要がなく、自動化ゲートを使えるはず…と思い、意気揚々とゲートに進みます。「これは並ばずにいけるかも?」と期待が高まりました。

パスポート認識はOK、しかし顔写真でエラー

実際にゲートにパスポートをかざすと、最初の段階で問題なく認証されたのはちょっと感動的。これが噂のデジタル化か…と思ったのもつかの間、続いての顔写真撮影ステップでエラーが発生。画面には「顔写真が認識できません」といった表示が出て先に進めないのです。念のため2回チャレンジしてみたものの、結果は同じでした。

係員の案内で有人カウンターへ、やはり初回は写真登録が必要

「どうして自動化ゲートが使えないの?」と疑問に思いながら、隣の有人イミグレに行って事情を説明したところ、係員は落ち着いた様子で「初回入国時に顔写真を撮影する必要がある」と教えてくれました。どうやら、前もって管理局で登録していた従来のやり方ではなく、空港で一度写真を撮りさえすれば、次回からは確実に自動化ゲートを使えるようになるとのこと。一度空港内の有人カウンターで写真を登録すれば、自動化ゲートを使用できるという話です。これは非常に大きな進歩で、特に地方在住者にとっては大きなメリットと言えるでしょう。その場で写真を撮り、データ登録完了。イミグレ係員に従い、簡単な手続きを済ませると、その場で写真撮影が行われました。時間にして1分程度。これで完了なのかと拍子抜けするほどあっさりしていて、「いままで何だったんだ」と思わず言いたくなるくらいの効率化です。無事にスタンプを押してもらい、通過したあとは「次回は自動化ゲートが使えるようになるからね」との笑顔。やっとこの国もハイテク化に追いついてきたのだなあと感じました。

入出国スタンプがなくなる寂しさ

スタンプレス時代がインドネシアにも波及。日本でも自動化ゲート利用者はスタンプを押さなくなったように、インドネシアでも同様になる見込みです。かつてはパスポートの余白がどんどん埋まっていくのが旅の証拠みたいなものでしたが、自動化ゲートを活用する時代においてはスタンプが押されないことが一般的。

「スタンプがもらえないのはなんだか味気ない」と思いつつも、書類手続きの面倒が減るなど、メリットは大きいと言えます。電子化が進んだ今、旅の思い出は紙のスタンプではなく、写真やSNSの投稿などで残していく時代になったのかもしれません。

次回から空港でサッと自動化ゲートへ

しかし、初回の顔写真登録を済ませた今、次回以降はバリやジャカルタへ到着した際には、わざわざ有人カウンターに行かずともゲートを通るだけで完結できる見込み。「あの煩わしい待ち時間や管理局通いが過去のものになるかも」と思うと、これだけでインドネシア生活のストレスがぐっと減る気がします。

インドネシアの新ITASがもたらす変化

バリ・ングラライ空港で初めて試したITAS対応の自動化ゲートは、結果的には初回のみ有人カウンターでの写真登録が必要でした。でも、一度済ませれば次回以降はもっとスムーズに通過できるようになるとのこと。インドネシアらしく、「本当に稼働するの?」と疑ってしまいがちではありますが、実際に目の当たりにすると、思ったよりもしっかり運用されている様子。入出国スタンプがなくなることには一抹の寂しさもありますが、効率や利便性を考えればやむを得ないところでしょう。

今後、マカッサルや他の地方空港にも自動化ゲートが広がれば、ITAS保持者の負担はさらに軽減されるはず。インドネシアの電子化がここまで進んだことに驚きつつ、新しいITAS時代の到来を歓迎したいと思います。次回こそは、スムーズに「ピッ」とゲートを通過して、スマートな入国を体感できることを楽しみにしています。

 

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