最近、マカッサルで開催された「日本映画祭2023(Japanese Film Festival 2023)」に参加する機会に恵まれました。この映画祭は、国際交流基金ジャカルタ日本文化センターが主催し、2023年11月から2024年1月にかけてインドネシアの6都市で展開される壮大なイベントです。この映画祭は、日本映画を通じて日本文化への理解を深めることを目的とし、アジア太平洋地域における日本映画の普及に貢献しています。
2016年から続くこのイベントは、今年もジャカルタ、マカッサル、バンドンの3都市で大規模な上映が行われ、スラバヤ、パレンバン、ジョグジャカルタの3都市では特別上映が計画されています。特に、パレンバンでの開催は今回が初めてであり、地元の映画ファンにとって特別な意味を持ちます。新型コロナの影響で一時は対面開催が見送られていましたが、昨年には3年ぶりに映画館での上映が再開され、1万人を超える来場者があったことは、映画祭の人気と重要性を物語っています。
11月17日から19日にかけて、マカッサルのパナックカンモール内のCGVで開催されたこのイベントでは、多くの日本映画を鑑賞する機会に恵まれました。チケット料金は非常にリーズナブルで、17日の金曜日は15,000ルピア、18日と19日は20,000ルピアでした。映画にはインドネシア語の字幕が付いているため、日本語が分からない地元の人々も映画を楽しむことができ、日本映画の普及と理解に寄与しています。日本で映画をゆっくり見る時間がなかなか取れないので、マカッサルでの鑑賞は毎年楽しみにしています。
特に印象深かったのは『ある男(A MAN)』と『PERFECT DAYS』の2作品です。
『ある男』は、平野啓一郎の長編小説を原作とし、石川慶が監督を務め、妻夫木聡、安藤サクラ、窪田正孝が共演しています。この作品は、第46回日本アカデミー賞で最優秀作品賞を含む8つの賞を受賞し、その芸術的な価値が高く評価されています。
『PERFECT DAYS』は、日本とドイツの合作映画で、ヴィム・ヴェンダースが監督し、役所広司が主演を務めています。この映画は、第76回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品され、役所広司が男優賞を受賞しました。この作品は、東京の街を舞台に、清掃作業員の日常を通じて、人間の感情の機微を描いた作品です。2023年12月22日に日本で公開される予定ですが、一足先に鑑賞できて嬉しかったです。
この映画祭は、12月にバンドゥン、1月にはスラバヤ、パレンバン、ジョグジャカルタでの開催が予定されています。久しぶりに日本映画をゆっくりと鑑賞でき、大変満足しています。これらの映画を通じて、日本文化の多様性と深さを再認識することができました。日本映画祭は、単なるエンターテインメントを超えて、文化交流の重要なプラットフォームとして機能していることを改めて感じます。今後もこのような機会を通じて、世界各地で日本文化がさらに理解され、愛されることを期待しています。