昨年新しく開通したスラウェシ鉄道での旅は特有の風景と共に独特な鉄道体験を提供しますが、乗車するまでが通常の鉄道とだいぶ勝手が違います。ここでは、スラウェシ鉄道に乗るための詳細な手順、切符の購入方法、そして駅へのアクセス方法について、マニアックすぎる乗り方を解説します。
マカッサル市内から最も近い駅であるマンダイ(Mandai)駅は、マカッサル国際空港のある地区に位置しています。この地区はマカッサル市の外れ、マロス県にあります。市中心部からマンダイ駅までの移動方法はいくつかありますが、最も便利なのはタクシーです。パナックカン地区からタクシーで、高速道路料金を含めて約15万ルピア(約1,500円)でアクセス可能です。渋滞がなければ、約30~40分で駅に到着します。
もう一つの選択肢は、市内のコミュニティバス「Bus Trans Mamminasata」(通称Teman Bus)を利用する方法です。パナックカンモール脇のバス停から6時12分に出発するバスに乗車すると、約1時間後の7時20分にマンダイ駅に到着します。この方法は非常にコスト効果が高く、運賃はたったの4,600ルピア(約45円)です。地元の人々にも人気がありますが、多くのマカッサル市民は自分のバイクや車で駅に向かい、駅の駐車場を利用しています。
スラウェシ鉄道の時刻表は、南スラウェシ鉄道管理センター(Balai Pengelola KA Sulsel)のインスタグラムアカウント@bpkasulselで最新の情報を確認することができます。時刻の変更が頻繁に行われるため、計画を立てる際は事前に確認しておくことが重要です。現在、マンダイ駅からは「𝗞𝗔 𝗔𝗻𝗱𝗮𝗹𝗮𝗻 𝗖𝗲𝗹𝗲𝗯𝗲𝘀 𝟭 号」と「𝟯号」の1日に2本の列車が運行されていますが、これらはまだ試験運行の段階にあります。
切符の値段は乗車距離によって異なり、マンダイ駅からパンケップ県のラバッカン(Labakkang)駅までは5,000ルピア(約50円)、終点のガロンコン駅までは10,000ルピア(約100円)です。マンダイ駅から終点まで往復で購入する場合は20,000ルピアとなります。これらは地元プライスで非常に手頃です。
切符の購入は、インターネットや駅の窓口での事前販売は行われていません。乗車日に駅で直接購入するシステムです。切符の購入方法は南スラウェシ鉄道管理センターのインスタグラムにて詳しく説明されています。
1. チケットは出発当日に購入できる
2. 駅の切符売り場は朝7時から販売開始となる
3. 搭乗予定の人は、それぞれの身分証明書(パスポートやKTP)などが必要
4. 乗車券はすべての駅まで購入可能(往復乗車券を含む)
5. 代表者は未成年を含む3名までの乗車券が購入可能
6. 乗車券の支払いは現金のみ
つまり、乗車したい当日の朝7時前にはマンダイ駅に到着しないと乗車券が買えないということです。しかも、8時20分発の朝便だけでなく、13時50分の昼便も朝7時から順次販売が開始となり、売れきれたらその日は乗車できないということになります。実は、以前にもこの情報を知らず駅に来て切符が買えるだろうと思ったら売れきれで、乗車できなかく苦い思いをした経験があり、土日祝日などは、昼間行っても売れきれてしまうことがほとんどですので、確実に乗車したい場合は、朝7時にはマンダイ駅に到着する必要があります。
切符を購入後、改札を通りホームへ向かいます。駅は比較的簡素な造りで、売店などもなく待合場所も簡易的なものです。
列車が駅に到着すると、ディーゼルエンジンの音と共に青色の車両が現れます。
車両にはこの地域昔の文字であるロンタラ文字が描かれており、地元文化の一端を垣間見ることができます。
座席は自由席で、進行方向前向きの席が特に人気です。列車内は思ったよりも空席がありますが、乗車率は90%程度と高いため、途中の駅から乗車する乗客を考慮すると、座席を確保するには早めに行動することが望ましいです。これからスラウェシ鉄道での旅を楽しみたいと思います。