南九州での充実した滞在を終え、いよいよ帰路に就くことになりました。鹿児島空港へ向かうまでの道中や空港で過ごした時間は、南九州の風景や歴史を振り返りつつ、次回の訪問への期待を膨らませるものでした。今回はそんな帰路のエピソードをご紹介します。
鹿児島での滞在を終え、帰路は鹿児島空港から羽田へ。今回は、加世田から直接空港へ向かうバスを利用することにしました。この路線は1日4本しか運行されていないものの、乗り継ぎ不要で空港に到着できる利便性が魅力です。
この情報を聞き、隣町の加世田バス停まで送っていただきました。
加世田バス停に到着すると、広々とした敷地が目を引きます。ここはかつて「南薩鉄道」の駅だった場所で、鉄道遺産としての趣を残しています。
南薩鉄道は大正3年に開通し、鹿児島県の伊集院から加世田、そして枕崎まで延伸された歴史ある路線でした。しかし、昭和59年に廃線となり、現在は鉄道記念館として一部施設が活用されています。この日はあいにく休館日でしたが、バス停として残る広場と駅舎が、鉄道の歴史を今に伝えていました。
9時20分発のバスに乗り込み、空港まで約75分の旅が始まりました。
車窓から広がるのどかな南九州の風景に心が癒されつつ、次第に空港へ近づいていく高揚感を感じました。
空港に早めに到着したため、まず向かったのは足湯。鹿児島ならではの温泉文化を空港で気軽に楽しめるこの施設は、旅の疲れを癒すのにぴったりです。湯に足を浸すと、ぽかぽかと体が温まり、まるで温泉地にいるような気分を味わえました。次回はぜひ指宿温泉にも足を延ばしてみたいと思いながら、今回は空港の足湯でその雰囲気を満喫しました。
足湯の後は、展望デッキへと向かいました。
このデッキからは、霧島連山を背景に飛び立つ飛行機が見られる絶好のロケーション。エプロンでは整備士や特殊車両が忙しく動き回り、飛行機の準備が進む様子を間近に観察できました。特に、飛行機のエンジン音や離着陸のシーンは迫力があり、非日常の体験として心に残りました。
展望デッキを楽しんだ後は、制限エリア外にある「スカイラウンジ菜の花」へ。ここは空港の喧騒を忘れさせてくれる快適な空間で、特に個別の椅子がリラックスできると感じました。ラウンジ内には鹿児島らしい飲み物が揃っており、地元の焼酎やマンゴージュース、トマトジュースなどを楽しむことができました。南九州の味覚に触れながら、旅の終わりをしみじみと味わいました。
その後、制限エリア内の「JALさくらラウンジ」にも立ち寄りましたが、混雑と閉塞感のある雰囲気が少し残念でした。
大きな窓がないため、外の景色を楽しむこともできず、早々に退出して搭乗口付近で過ごすことに。広々とした待合スペースから外の景色を眺めながら、旅の締めくくりにふさわしい時間を過ごしました。
搭乗予定のJAL便は、当初の12時45分発から15分遅れの13時発に変更となりました。日本の航空会社では、わずかな遅れでも繰り返し謝罪のアナウンスが流れます。この姿勢は素晴らしい反面、インドネシアの航空会社では1時間以上の遅延が当たり前でアナウンスもないことを思い出し、時間に対する文化の違いを感じました。日本の正確さに慣れすぎると、少しの遅れにも敏感になってしまうことがありますが、インドネシア風に少し時間にルーズでも良いのではと思うようになりました。
いよいよ搭乗が始まり、鹿児島空港での滞在を名残惜しみながら機内へ。霧島連山や桜島の美しい景色が頭をよぎり、南九州で過ごした日々の思い出に浸りながら座席に着きました。