スマラン・タワン駅から特急列車アルゴ・シンドロ号に乗車してジャカルタ・ガンビル駅までを鉄道で移動します。ジャワ島鉄道旅の様子をお届けします。
インドネシア・ジャワ島内は意外と各都市間の鉄道網が発達しています。今回乗車するスマランからガンビルまでのルートは、ジャカルタ-スラバヤ間を最短距離で結んでいるジャワ島鉄道の大動脈です。全線で複線化されていて特急列車だけでなく貨物列車も多く運行されています。
アルゴ・シンドロ号は、スマラン・タワン駅を朝6時に出発します。途中駅は、中部ジャワのペカロンガン(Pekalongan)、テガル(Tegal)、西ジャワのチレボン(Cirebon)と停車し、ジャカルタ市内のジャティンガラ(Jatinegara)、終点のガンビル(Gambir)となります。
特急列車だけあって停車駅が少なくスマランからジャカルタまでは、およそ450Kmの距離がありますが、5時間40分で結んでいるため表定速度が80Km/hと、電車ではなくディーゼル機関車が客車を引っ張ることを考えるとすばらしい速さです。
スマラン・タワン駅を定刻の朝6時に出発します。ちょうど太陽が昇る時間となります。窓の外も明るくなってきているので天気も良さそうなので、外の景色を楽しみながら移動できそうです。
座席は8号車の7Dを指定しました。
ほぼ真ん中の席の窓側です。
隣の席も空いているため2席を使ってゆったりできます。8号車はガラガラで10名ほどの乗客となりましたので、話し声などもなく、とても静かな車内です。
座席は、リクライニングシートとなっていて、皮のクッションも座り心地はなかなか良く、長時間座っていても快適な感じです。
窓の下にはコンセントが2つあり、携帯電話などの充電も可能となっています。
スマラン市内を抜けると中部ジャワの田園地帯に入るので、田んぼの中を軽快に飛ばしていきます。速度はどれくらいでているのだろうと、スマホの速度計を出して計測してみたところ、時速100Kmで運行されているようです。レールもほぼ直線なので、高速に運航している割にはほとんど揺れないのでとても快適です。走行音がとてもいい感じです。
スマランをでて30分ほどすると、海沿いを走るようで、朝日と海が見えるのではとおもい海側の席に移動してきました。ちょっとだけでしたが、海と朝日を見ることができました。
海を楽しんだあとは最初の停車駅である、ペカロンガンに到着します。
スマラン駅からちょうど1時間で到着します。ちょっとだけ駅を見ようと降りようとしたら、ちょうど、駅のホームに降りていた車内販売のお姉さんと目があってしまい、すぐに発車します!と声をかけててもらったので、急いでデッキに戻りました。
車内に戻ると、さきほどのお姉さんの車内販売がきました。せっかくなので、モーニングコーヒーと思って声をかけたら、ウェダン ウウ(Wedang uwuh)はいかがですかと案内されたので、初めての飲みものでしたので注文しました。
砂糖は入れないでと言ったら、お湯を注いでもらい、角砂糖を上に乗せてくれました。
ひとくち飲んでみると、不思議な香りのする赤いお茶だなあと思い、蓋をあけると、いろいろな葉がたくさん入っています。ウェダン(Wedang)は「飲む」、ウウ(Uwue)は「ゴミ」を意味すると言うから驚きです。
ウウの中身は、生姜、ナツメグ、フローブ、シナモン、レモングラスなどハーブ類が入っているようで、独特な風味ですが、体が温まり健康にも良さそうです。インドネシア人は砂糖を入れて飲むらしいですが、砂糖なしでもハーブの香りが効いてゆったりとした気分になります。コーヒーはいつでも飲めますが、ウェダン ウウは飲んだことが無かったので旅路にはとても合う飲み物だと思います。インドネシアの列車に乗ったら是非ご賞味ください。
ウェダン ウウを飲みながら、さらに田園風景を進みます。田植えが終わってちょうど伸びている時期なので、緑の絨毯の中を走行していきます。
つづく。