歴史と文化の香り漂う古都ジョグジャカルタでの滞在も終わりを迎え、マカッサルへと向かう時間がやってきました。数々の歴史的建造物を巡り、ジョグジャカルタの風土や伝統に触れた日々を振り返りながら、名残惜しさを感じながらの出発となります。今回の移動手段として選んだのは、ジョグジャカルタ市内とジョグジャカルタ国際空港(YIA)を結ぶ、便利で快適な空港連絡鉄道「KAI Bandara」です。これから、その乗車体験とともに、空港への道のりを紹介していきます。
KAI Bandaraは、インドネシアの主要都市において運行されている空港連絡鉄道で、KAI(Kereta Api Indonesia)という国営鉄道会社によって運営されています。この鉄道は、空港と市街地を結ぶ重要な交通手段として、旅行者やビジネスマンに広く利用されています。ジョグジャカルタをはじめとするインドネシア各地で運行されており、その利便性と快適さから高い評価を得ています。
迅速なアクセス: KAI Bandaraは、ジョグジャカルタ国際空港(YIA)と市内中心部のジョグジャカルタ駅を約35分で結びます。この速さは、タクシーやバスと比較しても圧倒的な速さと安さで旅行者にとって非常に有利です。また、渋滞に悩まされることなく、時間通りに移動できるのも大きな利点です。KAI Bandaraの料金はわずか5万ルピアという手頃さが魅力です。この価格で、快適な座席と空調の効いた車内で移動できるため、非常にコストパフォーマンスが高いと言えるでしょう。特に長時間のフライト前後に、リラックスして移動できることは大きなメリットです。KAI Bandaraのもう一つの特徴は、運行スケジュールの正確さです。空港へ向かう場合、時間に余裕を持って移動することが求められますが、この鉄道は定時運行が期待できるため、時間を有効に使いたい旅行者にとっては非常に便利な選択肢となります。突然の交通渋滞や遅延の心配がなく、計画通りに行動できます。
チケット購入: KAI Bandaraのチケットは、公式サイトや提携アプリで事前に購入することができます。特に週末や繁忙期には早めに売り切れることが多いため、事前予約が推奨されます。オンラインでの予約はとても簡単で、購入後にはQRコードの電子チケットが発行されるため、スマートフォンでそのまま改札を通過することができます。これにより、紙のチケットを紛失する心配もありません。
ジョグジャカルタ駅は、町の中心に位置する交通の要所です。空港への路線(KA Bandara / Airport Train): ジョグジャカルタ国際空港(YIA空港)へ直通する空港連絡列車以外にもこの駅では、さまざまな路線が発着しており、インドネシア各地へのアクセスが可能です。特に、この駅を基点としてジョグジャカルタから国内各地への旅が広がるため、多くの旅行者が利用しています。以下に、ジョグジャカルタ駅で運行されている主な路線について紹介します。
長距離路線(KA Jarak Jauh / Intercity Train): ジョグジャカルタからジャカルタやスラバヤ、バンドンなど、インドネシア国内の主要都市を結ぶ長距離列車です。これらの列車は快適な座席を備えており、長時間の移動でもリラックスして過ごせます。予約はKAIの公式サイトやTiket.com、Travelokaなどの旅行サイトを通じてオンラインで簡単に行うことができます。
短距離路線 (KRL Commuter, KA Prameks): ソロ(スラカルタ)やクラテンなど、ジョグジャカルタ周辺の都市への短距離路線です。通勤や日常の移動手段として利用されており、頻繁に運行されています。これらの列車に乗るには、鉄道用の電子マネーカードKMT(Kartu Multi Trip)を使用するのが一般的です。このカードは駅で購入可能で、チャージも簡単に行えます。KMTを利用すれば、毎回現金で切符を購入する手間が省け、スムーズに改札を通過できます。
ジョグジャカルタ市内での滞在を終え、駅前のホテルを出発しました。徒歩で1分の距離にあるジョグジャカルタ駅へと向かい、早めに到着して余裕を持って移動する計画です。ジョグジャカルタ駅は、以前から見慣れていた伝統的な建物に加えて、最近ではモダンな設備が整備され、非常に快適な空間に生まれ変わっています。
しかし、少し早く到着したため、列車を眺めようとしたところ、出発30分前にならないと改札を通過できないとのこと。しばらく駅の外で時間をつぶすことにしました。
駅周辺は多くの人々で賑わっており、地元の人々や観光客が行き交う光景を眺めながら、ジョグジャカルタでの最後のひとときを過ごしました。
いよいよ出発30分前になり、改札を通過して中に入ります。
改札を抜けると、KAI Bandara専用の待合室へと案内されました。
この待合室は、空港行きの列車を待つ乗客専用で、静かで落ち着いた雰囲気が漂っています。ここで列車出発の10分前まで待機し、最後の準備を整えました。
列車が到着すると、ホームへと移動し、指定された席に向かいます。
KAI Bandaraの座席は、4人掛けの向かい合わせとなっています。車内は清潔で、快適な空調が効いています。すぐに満席となり、空港行きの列車はゆっくりとジョグジャカルタ駅を出発しました。