ジャガイモは、今では日本の様々な料理に使われ、一年中食卓に上がらない日はないと言っても過言ではありません。実はこのジャガイモはもともと、日本、もっと言えばアジアには存在しない野菜です。
そのジャガイモの語源がインドネシアであったことをご存知ですか?
ジャガイモの元祖はペルーの中南米のアンデス山脈のチチカカ湖付近で生まれました。今でも3000m以上の高地では、ジャガイモのもとになっている野生種がたくさん残っているそうです。
日本へは17世紀初めに、オランダ人が長崎の出島に持ち込んだ事が始まりです。
ジャガイモは当初、オランダ人によって観賞用として日本に伝えられました。
「ジャガイモ」という名称については、ジャワ(インドネシア)のジャガトラ(現在のジャカルタ)から来たので、「ジャガタラ芋」と呼ばれ、それで「じゃがいも」になった言う説が有力です。ジャワ島の芋の意味のジャワイモが変化したものとの説もあります。
当時のジャガイモは、とても淡白で日本人には好まれませんでした。食用としての普及は、寒冷地の北海道での本格的な栽培から始まってからです。
ジャガイモが食用として普及しはじめたのは、明治維新後となります。北海道開拓史によって、「ジャガイモ」が北海道へ導入されると、もともと高原が原産であったじゃがいもは瞬く間に普及し、北海道を代表する農産物の一つになって今に至っています。
インドネシアでもジャガイモの人気は大きくなり、ジャガイモを油で揚げたフレンチフライは、ファストフード店を始め、カフェなどでも多くメニューに存在します。
インドネシアでは、フレンチフライは、ケンタンゴレン(kentang goreng)と呼ばれます。
インドネシアは熱帯の気候ですので、ジャガイモは栽培されていませんので、フレンチフライは冷凍食品を輸入しているようです。フレンチフライ誕生の国のベルギーから2018年には1万7千トンもの冷凍フレンチフライがインドネシアに輸入されたそうです。
インドネシアでは主食が米ですが、タピオカの原料として知られる「キャッサバ」や日本の里芋に近い「タロイモ」など芋を食べる地域もあります。
キャッサバの揚げた料理シンコンゴレン(singkong goreng)も、キャッサバの甘みがあっておいしいです。
私は、日本にいる時には、ほとんどファストフード店に行かないので、フレンチフライを食べることはまれですが、インドネシアにいくと、メニューをみてあれば必ず、フレンチフライを頼みます。
フレンチフライの事をインドネシア語でケンタンゴレンと初期の段階で覚えて、ケンタンゴレンはありますか?といつも尋ねていました。
虜となった理由は、サンバル(インドネシアの辛いソース)と非常にマッチしているのです。
日本では、フレンチフライはほとんどの人は、そのまま食べるか、ケチャップをつけて食べますよね。
辛味が欲しい時は、マスタードが鉄板です。
ややこしいのは、日本ではマスタードが入っている黄色い容器に、インドネシアではサンバルが入っていることです。
インドネシアに最初に行った頃は、この店は気を利かせてマスタードが置いてあると中身を出したら、サンバルでした。
仕方なくサンバルをつけて、フレンチフライを食べたら、ポテトと相性抜群な事が判明し、大のサンバル好きになりました。
日本のジャガイモの語源がインドネシアのジャカルタから来て、ヨーロッパから来たフレンチフライ=ケンタンゴレンをインドネシアで食べ、インドネシアの調味料サンバルととものに食し、好きになっていく。
インドネシアに関連することが、日常になっていく自分がインドネシア沼にはまっている証拠ですね。