マカッサル焼き魚は、南スラウェシで人気料理のひとつです。マカッサルを訪れる、全ての観光客は、新鮮なシーフードを楽しみに来訪します。
マカッサルには、チョトマカッサル、ソプコンロなどの肉の料理も多いのですが、シーフードメニューの豊富さも特徴です。
その中で、マカッサルの食の王様というのが、ワタリガニの一種、「ノコギリガザミ」です。通称マングローブカニは、日本では、あまり流通していないため、お店で頼むと1匹1万円以上します。
インドネシアでも日本ほどではありませんが、1匹3千円以上はします。価格が高いけど、実際本当においしいのかを解説します。
ノコギリガザミは、英名マッド・クラブ(泥のカニ)と言われ、マングローブなどに生息するカニです。
西太平洋からインド洋の、南アフリカ、オーストラリア、フィリピン、太平洋諸島、台湾、そして、インドネシアと日本の沿岸にも生息しています。
内湾の波の静かな場所や河口の汽水域に生息し、砂泥干潟やマングローブの根元、転石帯などに大きな巣穴を作ります。
この、マングローブや泥地に数多く生息することが由来して英名がつけられています。
ノコギリガザミは夜を基本に活動し昼間は巣穴で潜んでいます。夜が訪れると巣穴から出てきて満ち潮に乗り餌をとる為に波打ち際付近まで移動します。
そして、ノコギリガザミは縄張りの意識がとても強く、メスも争いますがそれ以上にオス同士が特に争い鉢合わせるとすぐに喧嘩に入ります。
そのときの争いで失ってしまったハサミや脚などは脱皮を数回繰り返すと再生し元に戻ります。
強力なハサミで貝などのかたい殻を割って食べています。
ハサミ脚はとても巨大で大きさは左右で違い、見てわかる程の太く大きいハサミと細く小さいハサミがついており、ノコギリガザミが捕食する際、貝類などをまず細く小さいハサミで掴み、大きく太いハサミで貝類の硬い殻を砕きます。
この太く大きなハサミの噛み合わせは臼歯のような丸い歯が綺麗に並んでいます。このハサミ脚の力はとても強力で乾電池ほどの硬さのものなら簡単に潰してしまうほどです。
ガザミの語源は、カニの2つの手のハサミは強靱で強く、はさまれるとケガをするほど。それで「カニに、はさまれると痛手を負うことからカニハサミ」となり、これが短縮されて「ガザミ」となりました。
インドネシア語でカニの事を「ケピティン(Kepiting)」と言います。
海外でもかなり人気で好んでよく食べられています。
台湾・中国・香港では中華風炒めなどの数多くの食べ方・料理法あります。
インドネシアでも、中華風の流れの味付けが多く、チリソースや黒胡椒ソースでいただきます。
インドやタイではカレーに使われたりもします。ノコギリガザミはその国々によって様々な食べ方や料理に使われる食材です。
ノコギリガザミは非常に硬い甲羅の中に身がこれでもかとぎっしりと詰まっています。
その身はぎゅっと締まっており濃厚な味わいの身で食感は大型に成長した白身魚によく似ており、旨みや甘味が強く非常に美味で後味が驚くほど軽いのも味の特徴ともいえます。
ノコギリガザミの最も美味しい美味といえる部位が「内子」・「外子」・「カニ味噌」となります。
25分ほど蒸して、まだ熱いカニの甲羅を外し、身を割ると濃いオレンジ色のミソが溶け出してきます。身の味わいは濃い、しかも甘くて、食べている間は、黙りながら静々と食べつくしてしまいます。
身のあっさりとした感じが、後を引きます。いくらでも食べる事ができます。
カニですと、北の寒い場所に住む、ズワイガニやタラバガニもあり、こちらも旨いというのは間違いありませんが、後味の軽さということでまったく別の感じです。
つまりノコギリガザミは上品な味わいであります。
ノコギリガザミは市場などで生きたままヒモでしばって売っています。非常に高価だけどカニの身の全てが濃厚で芳醇な味となっており究極の食材と言えるでしょう。