世界中で愛される猫ですが、国によってその鳴き声の表現が異なることに気づいたことはありますか?今回は、インドネシアと日本における猫の鳴き声の違いを探り、言語がどのようにこれらの違いを生み出しているのかを考察します。
インドネシアではよく野良猫を見かけます。ここで猫は「kucing」と呼ばれ、イスラム教徒が多いマカッサルでは猫が特に可愛がられています。日本では猫の鳴き声を「にゃー」と表現しますが、インドネシアの人々はそれを「メオン(meong)」と表現します。この違いに私は驚きました。
猫の鳴き声の表現は、その国の言語の特性に深く関連しています。
例えば、
英語では「meow(ミャウ)」もしくは「mew(ミュー)」、
フランス語では「miaou(ミャウ)」、
ドイツ語では「miau(ミアォ)」、
スペイン語では「miau(ミャウ)」、
イタリア語では「miao(ミャーオ)」、
ロシア語では「мяу(myau/ミャーウ)」、
スロヴェニア語では「mijav(ミヤゥ)」、
中国語では「喵(miao/ミャオ)」
となります。
ほとんどの言語で、鳴き声は「M」音から始まりまるのがわかります。猫の鳴き声を観察すると、確かにそう聞こえることが多いです。
日本では猫の鳴き声を「にゃお」や「にゃー」と表現します。興味深いことに、この「にゃお」という表現は歴史的な変遷を経ています。平安時代には「ねうねう」と書いて「ねんねん」と読み、鎌倉時代には表記も発音も「ねうねう」となりました。現在の「にゃーにゃー」となったのは江戸時代からです。同じ音を聞いていても、馴染みのある音や並びに自然と変換しているのです。例えば英語では「R」と「L」、「B」と「V」の音の違いを区別します。細かい音を聞き取る能力が高いため、実際の音に近い発音ができます。それに対して日本語はそこまで繊細に聞き分ける必要はありません。また音節も少ないため、その乏しさを補うために多彩なオノマトペ(擬音語・擬態語)が誕生しました。
言語は私たちの世界観を形作る重要な要素です。猫の鳴き声のような小さな違いが、言語の構造と文化的背景によって異なるという事実は、多様な世界観を理解する上で非常に興味深いトピックです。猫の鳴き声を通して、私たちは異なる文化と言語の多様性を学び、より豊かな世界を体験することができます。
しかし、本当に面白いですよね、国によって鳴き声の表現の仕方がこんなに違うのかと知りました。インドネシアでは、猫に声をかける時は「メオン、メオン」と言ってみましょう。そうしないとインドネシアの猫は気づいてくれないかもしれません。