ジャカルタの路上には、たくさんの屋台がありますが、屋台で食べられるローカルスイーツである「クエ・アペ(Kue Ape)」をご紹介します。特徴ある見た目からおっぱいケーキの意味の「クエ・テテ(Kue Tete)」とも呼ばれています。
クエ・アペ(Kue Ape)は、インドネシアのジャカルタに住むペタウィ族の伝統的なお菓子となっています。クレープのような丸い形をしていて、外側が薄くカリッと焼かれていて中心はちょっと厚めになっていてるパンケーキのようなお菓子となります。鮮やかな緑色は、バニラのような独特の甘い香りが特徴のパンダンリーフを使って着色しています。クエ・アペの見た目から「クエ・アぺ(Kue Ape)」は「クエ・テテ(Kue Tete)」とも呼ばれていて、テテ(Tete)はインドネシア語でおっぱいを意味しますので、おっぱいケーキとなります。おっぱいの形に似ているから名付けられてしまったのですが甘くておいしい屋台スイーツとなります。
クエ・アペのクエ(Kue)はお菓子・ケーキを意味していていますが、アペ(Ape)は、インドネシア語のアパ(Apa=何?)から由来しているそうです。お菓子を開発したペタウィ族は、その形からおっぱいケーキのクエ・テテ(Kue Tete)と呼んでいましたが、お菓子の名前を知らない方が「このお菓子は何ですか?(クエ・アパ?Kue apa?)」と聞かれることが多くて、ペタウィ族の母音の発音のaがeになる独特のアクセントを持っていたので、apa がapeになって、お菓子の名前を聞く「Kue ape?」のフレーズがお菓子そのもの名前になってしまったそうです。
クエ・アペの原材料は、米粉、小麦粉、ベーキングパウダー、砂糖、卵、塩。水を適度に入れて良くかき混ぜたところに、緑色のパンダンペーストを加え1時間ほど生地を寝かせた後に重曹を混ぜて生地の出来上がりです。
お椀型の特殊な鉄鍋を加熱して油を少しひいてから生地を流し込みます。
器用に形を整えた後に「ぱかっ」と乾いた音を立てながら蓋をするところがおもしろいところです。30秒ほどで蓋を開けて、周りからクレープ皮をはがすようにして取り出したら完成です。少し冷ましていくと、周りがカリッとしてきて「おっぱい型」の形が決まります。
味見として、5,000ルピア(約40円)で2枚注文することにしました。温かいうちに食べるとおいしいよ!と屋台のおやじに手渡されました。
周りの薄い皮が「カリッ」とサクサク食感で、中央はパンケーキのように「ふわっと」した感じが合わさって、パンダンリーフの独特の甘い香りがします。
外側を焦がさず、餃子の羽のようなパリパリの部分と、中央のしっとりとした饅頭のような部分が半生ではなく、ふんわりとケーキのように膨らんでいます。屋台のおやじの作り方をしばらく見ていたのですが、とても単純で簡単に見えますが、おそらく材料の配合割合や加熱温度や加熱時間がとても絶妙で、蓋をしたりして焼き加減を調整してふっくら仕上げていく職人技を感じました。
単純だけどクセになる、ほどよい甘さと食感がなんとも言えないおっぱいケーキ「クエ・アペ」の屋台を見かけたら、是非食べてみてください。