キンタマーニ高原で伝統的な葬式であるウパチャラ・ピトラ・ヤドニャのンガベン儀式を見学した後、デンパサール空港近くのクタまで移動しました。クタで1泊することになっており、旅の終わりが近づいてきました。儀式の余韻に浸りながら車に乗り込んで、次の目的地に向かいます。
16時にキンタマーニ高原を出発し、バリ島を南下しました。夕方のデンパサール付近は渋滞が激しく、思った以上に時間がかかってしまいました。バリ島は扇状に広がっており、空港付近が交通の集約地点となるため、渋滞が避けられません。観光客の増加も影響しているようです。幹線道路が混雑しているため、裏道を駆使して移動しましたが、細い道が多く、時間短縮になったのか疑問が残りました。道路状況を確認しながら進むうちに、様々なバリの風景が窓外に広がり、観光地の喧騒から少し離れた静かな村々を通過しました。車内では、この日見学した儀式の話題で盛り上がり、バリの文化と伝統について改めて考える時間となりました。儀式の荘厳さと、そこに込められた家族やコミュニティの絆について話し合い、バリ・ヒンドゥー教の深い信仰と精神性に感動しました。
クタにあるアンクル・アンクルホテルに到着しました。1泊寝るだけと考えていたので、1泊350,000ルピアのコスパ良いホテルを予約していました。フロントでチェックインしようとすると誰もおらず、セキュリティ上大丈夫なのか心配になりましたが、奥からようやくスタッフが出てきて鍵を預かりました。
予約時には上の階をリクエストしていましたが、1階の部屋しか空いていないとのことで、仕方なく部屋に案内されました。ホテルの雰囲気は落ち着いていて、短期滞在には十分な施設でした。
部屋に入ると、安宿ながら新しく小ぎれいな感じでした。部屋の設備を確認し、荷物を整理しながら、一息つきました。しばらくすると1階の湿度が高く床がべとべとしてきました。
部屋の前に小さいながらもプールがありその湿度が部屋の中に充満しているのだろうとすぐわかりましたが、そんなことを気にしてはインドネシアでは暮らせないと思い、気分を新たに夕食を食べに行くことにしました。
ホテルから歩いて2分のところに、クタに宿泊した際の行きつけの「Warung Segarrr…(ワルンセガール)」レストランがあります。このレストランはインドネシア料理と中華料理のミックスで、バリの雰囲気も感じられる店です。壁には相変わらずたくさんの写真が飾られており、店員と各国の観光客が共に自国の国旗を掲げている写真が、壁一面にびっしりと敷き詰められています。
レストランに到着すると、店内は賑わっており、活気に満ちていました。地元の人々や観光客が楽しそうに食事をしており、その雰囲気にすぐに引き込まれました。席に案内され、メニューを見ながら何を注文しようかと悩む時間も楽しいひとときでした。
ワルンセガールの料理はチャイニーズインドネシア。幅広いメニューがあり、全体的に濃いめでビールに合う味付けが特徴です。日本人の口にも合う味付けで、初めての人でも安心して楽しめる料理ばかりです。毎回注文するのがイカのフライ(カラマリ)、エビの炒め物、牛肉の黒コショウ炒め、そして空心菜炒め。
これらを合わせると最高の組み合わせになります。
料理が運ばれてくると、その香りに食欲がそそられました。イカのフライは外はカリッと、中はジューシーで、エビの炒め物はプリプリとした食感が楽しめました。牛肉の黒コショウ炒めはスパイシーで風味豊か、空心菜炒めはシャキシャキとした食感が絶妙でした。ビールも進み、ついつい食べ過ぎてしまいました。店員のサービスも心地よく、楽しい食事の時間を過ごすことができました。
お腹いっぱいになったので、ホテルに戻る前に夜のクタビーチまで散歩することにしました。クタビーチは夜も賑やかで、観光客や地元の人々が集まっていました。明かりに照らされたビーチは幻想的で、波音が心地よく響き渡っていました。
砂浜を歩きながら、今日一日の出来事を振り返りました。バリ島の美しい自然と豊かな文化、そして心温まる人々との交流が思い出され、改めてこの旅の素晴らしさを実感しました。
夜10時を過ぎると人通りも少なくなり、マッサージの勧誘なども増えてきました。少し治安に心配を感じながらも、夜風に吹かれながらの散歩は心地よいものでした。