ランジュカン島、ケケ島と離島を巡ってきましたが、最終目的地はラエラエ島での夕陽鑑賞です。近代開発の影響を受けつつも伝統的な暮らしを守る島民の生活をみながらラエラエ島から見る絶景の夕陽を通じて、マカッサルの魅力を再発見しました。
ラエラエ島は、スペルモンド諸島の海域に位置する植生豊かな小さな島です。マカッサル市の西部に位置し、約1.5km離れています。カユ バンコア桟橋またはフォートロッテルダム前の桟橋から漁船でわずか10分の距離です。この近さが、ラエラエ島を日帰り観光や短期滞在の人気スポットにしています。伝説によれば、沈没した船の乗客たちが「ラエラエ」と叫び助けを求めたことから、この島の名前がついたとされています。このエピソードは、島に漂着した中国人の乗客たちが「来い、来い」という意味の言葉を叫んでいたことに由来します。これが現在のラエラエ島の名前の由来となっています。
ラエラエ島の住民たちは、近代開発の影響を受けながらも、伝統的な暮らしを維持しています。島には約400家族、2,000人あまりが住んでおり、その多くが漁業や観光業に従事しています。
道は細く、自動車はなく、電動バイクが主要な移動手段です。家々は伝統的な建築様式で建てられ、島の景観は昔ながらの姿を保っています。コミュニティの絆が強く、住民同士が助け合いながら生活している様子は、訪れる人々に深い感動を与えます。
ラエラエ島から見える沿岸部には、10年前から埋め立てられたセンターポイントオブインドネシア(CPI)が広がっています。
CPIはマカッサルの新しいランドマークとして開発され、商業施設や住宅地、公園などが整備されました。この開発は、マカッサルの経済発展に大きく寄与していますが、一方でラエラエ島の住民たちにとっては大きな変化をもたらしました。
CPIの建設により、ラエラエ島の漁業に大きな影響が及びました。島の周辺海域が埋め立てられたことで、漁場が減少し、漁獲量が減少しました。これに対し、島の住民たちは反対運動を展開し、多くのデモを行いました。漁業は島の生活の基盤であり、これが失われることへの不安と怒りが住民たちの間で広がりました。しかし、最終的には開発が進み、CPIの完成を迎えることとなりました。
ラエラエ島から見る夕日は絶景です。夕日が沈み、空の色が青みがかったオレンジ色、時には赤みを帯びた色に変わる様子を眺めることができます。ビーチに座ってリラックスしながら、夕日の美しい変化を楽しむことができました。
マカッサル側のロサリビーチから眺める夕陽は、世界三大夕陽の一つとして知られていましたが、都市化によりCPIに隠れてしまい、かつての景観ではなくなってしまいました。
しかし、ラエラエ島からは昔ながらのマカッサルの夕陽を楽しむことができ、とても穏やかで癒やされる時間を過ごすことができました。
夕陽を背景に、マカッサルの桟橋に戻ってきました。
1日を通じて3つの離島を訪問し、島の人々との交流や海の自然を楽しみ、素晴らしい景色に恵まれた満足のいく船旅を終えることができました。